光って何? 監修者プロフィールとメッセージ

本当に不思議だらけの[光]



ここでは、[光]について、おもに物理学の観点から解説していきます。「光は電磁波の一種で、波長が可視光である」といった具合です。

しかし光は、[光合成]によって我々にエネルギーを供給してくれる重要な存在でもあります。これは、人間をはじめとする生命にとっては欠かせない光の役割りで、ともすれば忘れられがちな働きです。
植物は二酸化炭素と水を取込み、葉緑体なる”化学工場”に送り込みます。葉緑体では、光エネルギーを用いて水と酸素と水素に分解、できた水素を二酸化炭素と化合させてブドウ糖、さらにでんぷんを作り出しています。つまり、葉緑体は光エネルギーをでんぷんの形で固定、余分の酸素を吐き出し、生物はそのでんぷんを食することによって、閉じ込められた光エネルギーを間接的に利用し、生きているのです。
光は、深海底などに棲む古細菌などを除き、地球上の生命の源となっているという視点は、物理学的視点とともに忘れないでおきたいものです。




■那野比古先生(なのひこせんせい)



最先端の科学技術にくわしい大学教授。著書がたくさんある科学技術ジャーナリストでもある。難しい技術をわかりやすく解読するのが得意技。


*1936年生まれ。
東京大学理学部卒業後、新聞記者を経て82年科学技術ジャーナリストとして独立。
多摩大学経営情報学部教授。本名は井上一郎。
『光って何だろう』(ダイヤモンド社)、『わかりやすい液晶のはなし』(日本実業出版社)など著書多数。
那野比古先生