キヤノンサイエンスラボ 光って何?

最近の主流であるデジタル複合機は、一台でコピーの他にもFAXやプリンター、スキャナーなどの機能を果たしますが、その仕組みはデジタル複写機と同じです。
デジタル複写機は、原稿をデジタルデータとして読み取る「入力部」(スキャナー)、読み取ったデータをレーザー光で画像形成する「レーザーユニット」、形成した画像を印刷する「出力部」(プリンター)の各機構からなっています。入力部はLEDやCCDセンサーを利用する方式で、基本の原理や仕組みは単体のスキャナー機と同じです。レーザーユニットと出力部はレーザー光を利用します。レーザーユニットと出力部の基本の原理と仕組みは、レーザープリンターと同様です。

詳しく見てみよう
2方式あるスキャナーの仕組み

原稿を読み取るスキャナーには、「CCDセンサー方式」と「CIS(Contact Image Sensor:コンタクトイメージセンサー)方式」があります。
CCDセンサー方式は、白色LEDの点光源を線光源にして原稿の下から当て、1ラインずつ読み取っていきます。LEDのライン状の光は、一定の光路長(光が進む経路の距離)を確保するために数枚のミラーで反射されてレンズユニットに導かれます。レンズユニットで光は収差補正されて、撮像素子(CCDセンサーのラインセンサー)に縮小投影され、デジタルデータになります。
CIS方式では、光源にRGB3原色のLEDを利用します。原稿台と同じ幅で、LED、レンズアレイ、CCDセンサーやCMOSのラインセンサーがそれぞれ1列に並んでいて、各画素を1対1で読み込みます。原稿に密着して読み込むため「コンタクトイメージセンサー」方式といいます。光路長を確保する必要がないので、機構は比較的コンパクトに作ることができます。

レーザー光をコントロールするユニット

スキャナーで読み込まれた画像のデータは、プリンター機構の感光ドラム上に画像として形成されていくのですが、このときに利用されるのはレーザー光です。
画像データはコントローラーでレーザー光のON/OFF情報に変換され、レーザーユニットに送られます。レーザーユニットのレーザー発振器から出るレーザー光は、レンズを通して細く絞られてポリゴンミラーで反射されます。
ポリゴンミラーは、4~6面の鏡面(ミラー)を多角形状に構成したもので、高速に回転(1分間に2~4万回転)します。回転しながら、ミラー1面分で横1ライン(機種によっては複数ライン)分の画素を感光ドラム上に描きます(これを「走査」といいます)。たとえば、1面1ライン走査の場合、6面ミラーなら1回転で6ライン分を走査することになります。この際、わずかでもポリゴンミラーの各面で角度誤差(傾き)が発生すると、レーザー光の光路が変化(面倒れ)してしまい、正確な画像形成ができません。
正確な画像形成のために、ポリゴンミラーと感光ドラムへレーザー光を照射する反射ミラーの間にFθレンズと呼ばれるレンズ群を配置します。Fθレンズは、感光ドラム上にレーザー光を等速で走査させる機能と、ポリゴンミラーが面倒れしても感光ドラム上でのレーザー光を正確に照射する機能を併せもっています。この Fθレンズにより、レーザー光は感光ドラムにピンポイントで正確に照射されていきます。

レーザー光と静電気を利用するプリントプロセス

プリンター機構の感光ドラムには、「光導電体」といって、暗いところでは絶縁体となり、光があたると導体となる性質の物質が使われています。
この感光ドラムの表面に、-700ボルト程度の静電気を帯びさせ(「帯電」)、マイナスの電荷を持たせます。レーザー光がONで照射された部分は、光導電体の性質によって導体となり、電荷が消滅します(「露光」)。レーザー光がOFFで照射されなかった部分は、電荷を保持したままになります。
露光した感光ドラムに、マイナスの静電気を帯びたトナーを近づけると、電荷を失った部分にだけトナーが付着します(「現像」)。感光ドラム上には、トナーが部分的に付着した反転画像が現れます。
感光ドラムに用紙を密着させて、用紙の裏側からプラスの電荷を与えると、トナーが用紙に付着します(「転写」)。その用紙に、熱と圧力を加えてトナーを「定着」させると、プリントの完成です。