オフィス向け複合機の搭載技術

オフィスドキュメントの入出力・保管・送受信など、あらゆる業務をこなす複合機。ネットワーク技術をはじめ、ドキュメント処理技術やソフトウェア技術など、キヤノンの先進の技術がちりばめられています。

電子写真技術のプリントプロセス

レーザープリンター、オフィス向け複合機、デジタルプロダクションプリンティングシステムなどは、同じ原理でプリントを行っています。

1 帯電

感光ドラム表面にマイナスの静電気を帯びさせます。

2 露光

光で感光ドラムに画像を描きます。レーザー光の照射部分は静電気がなくなります。

3 現像

トナーを感光ドラムに近づけると、静電気のない部分にだけトナーが付着します。

4 転写

感光ドラムを用紙に密着させ*、用紙裏側からプラス電荷を与えて、トナーを用紙に移します。

5 定着

トナーが転写された用紙に熱と圧力を加えて、トナーを用紙に定着させます。

  • *
    カラー製品のほとんどは、感光ドラムから中間転写ベルトにトナーを移し、それを用紙に移す方式になっています。

imageRUNNER ADVANCE 連携技術

複合機同士や複合機とPCとの連携を強化

imageRUNNER ADVANCEは、ユーザーセントリック(顧客志向)をコンセプトに、キヤノンが他社に先駆けて開発した新しいタイプの複合機です。複合機としての使いやすさだけでなく、オフィス内のPCや他のimageRUNNER ADVANCEと連携して、業務効率がアップすることも重視しました。

そのシステム連携の中核を担う機能の一つが「アドバンスドボックス」です。これは、複合機内部にあるHDD(ハードディスクドライブ)を利用し、複合機としてのボックス機能と、簡易ファイルサーバー機能を同時に持たせたもので、OSのファイルシステム層の上に、新文書管理モジュールを構築することにより実現しました。この新文書管理モジュールには、アドバンスドボックス、ネットワーク(SMB、WebDAV)、メモリーメディアの各リポジトリ※1に対する操作を制御するアプリケーションモジュールを組み込んであるため、各リポジトリの差異を意識することなくアドバンスドボックスが使用できます。

アドバンスドボックスに関係するソフトウェアの模式図

アドバンスドボックス機能を活用するに当っては、SMBやWebDAVなど複数の一般的なプロトコルに対応させることで、クラウド時代を見据えたさまざまなネットワーク環境への適応性を高めています。また二つのプロトコルともサーバー・クライアントの両機能を複合機に持たせることで、PCとの連携だけでなく、imageRUNNER ADVANCE同士の機器間連携も可能にしています。

このアドバンスドボックス機能の活用により、PCに専用アプリケーションをインストールしなくても、ファイルサーバーへのアクセスと同様の操作で複合機にあるデータにアクセスができるようになりました。例えば、紙で配布されたPowerPointの出力紙をスキャンしてPowerPointファイルやPDFファイルとしてアドバンスドボックスに保存することにより、別途ファイルサーバーを準備しなくともPCから好きな時に利用が可能となります。

一方で、HDD非搭載のimageRUNNER ADVANCEであっても、イントラネット内にある他のimageRUNNER ADVANCEに接続することで、自らにアドバンスドボックスが存在するかのような活用も可能になります。

ほかにもオフィスで共通利用する宛先を、イントラネット上にある1台のimageRUNNER ADVANCEに登録するだけで、どのimageRUNNER ADVANCEからでも登録情報を参照し、利用することができる「アドレス帳共有」機能を搭載しています。これは、キヤノンの複合機が提供するWebServiceプラットフォームをベースにアドレスブック・フレームワークを構築することで、スケーラビリティ※2を確保した状態でネットワーク上の複数の複合機でのアドレス帳共有を可能にしたものです。このアドレス帳共有など、imageRUNNER ADVANCEは複合機同士やPCとの連携をさまざまな機能で強化することにより、オフィスのワークフローの大幅な進化を果たしました。

  • ※1
    リポジトリ
    システムの設計情報やプログラムデータなどの情報を保管するデータベースのこと。
  • ※2
    スケーラビリティ
    コンピューターシステムの持つ拡張性のこと。システムの規模によらず、柔軟に性能や機能を向上させられることを意味する。

情報セキュリティ技術

複合機のトータルな情報セキュリティを確保

キヤノンオフィス向け複合機の情報セキュリティ技術の概要

オフィスにおいてドキュメントの入出力をつかさどるハブとなる複合機。ネットワークへの依存度やドキュメントの重要性が高まれば高まるほど、PCなどと同様に、高いレベルでのセキュリティが必要になります。キヤノンではユーザーに安心して安全な複合機を使っていただくために、数々の情報セキュリティ機能を搭載し、その強化を図っています。

複合機内の機密情報漏洩防止技術

鍵管理モジュール

複合機はPCやサーバーと同様に、パスワードや暗号鍵などの多くの機密情報を記憶装置内に保持しています。複合機の物理的解析やネットワーク越しの不正アクセスから、これらの機密情報を守るためには、TPM(Trusted Platform Module) ※3が重要な役割を果たします。すべての機密情報はTPMチップ内のルート鍵で暗号化してから保存されます。ルート鍵はチップ外に出ることがないので、複合機内の機密情報は安全に保たれます。

機能制限による不正使用防止技術

Access Management Systemのシステム構成

Access Management Systemはユーザーごとに使用できる機能を制限することにより、機器の不正使用を防ぐ技術です。IT管理者があらかじめユーザーごとに使用できる機能を制限しておけば、操作が許可された画面のみ表示させることができます。

またPCから複合機へプリント指示を送るときには、ACT(Access Control Token)※4を利用することで、プリントの制限、プリントデータの改ざんやリプレイの防止などが行うことができます。

キヤノンには、オフィスの業務に複合機を最適化するためのアプリケーション・プラットフォームに「MEAP」がありますが、これをカスタマイズすることで、社員管理システムやICカード認証、Active Directory※5など既存の社内セキュリティシステムとの連携が容易に行えるようになります。

紙文書の機密情報漏洩防止技術

TLコードによるジョブ制限の概念

情報漏洩の74.9%は、実は紙媒体を通して発生するという調査結果があります※6。機密情報の紙文書が不正コピーされないようにするための技術が、キヤノンが独自開発した2次元コード「TLコード(Trace & Lock Code)」です。複合機は、文章を印刷する際に、背景にTLコードを付加します。もしその文書をコピーしようとすると、TLコードに埋め込まれた情報を複合機が高速に解析し、機密文書のコピーをできなくしたり、プリントしたユーザーを特定することが可能になります。

各メーカーが独自に取り組んできた複合機やプリンターのセキュリティ技術ですが、2009年6月に国際標準規格「IEEE Std 2600.1TM-2009」(以下、IEEE 2600.1)が制定されました。キヤノンはその制定作業に参加した企業の一つです。海外生産拠点の製造工程への立ち入り検査などを含む厳しい審査に合格し、2011年3月からIPA(独立行政法人情報処理推進機構)より「IEEE 2600.1」適合のCommon Criteria(ISO/IEC 15408)認証を取得し続けています。

  • ※3
    TPM(Trusted Platform Module)
    PCや複合機などの内部にハードウェアとして設置されたセキュリティチップのこと。チップ内で暗号・復号化処理、デジタル署名の生成・検証などを行うことができる。
  • ※4
    ACT(Access Control Token)
    情報漏洩の防止のためには、利用者の属性に応じてアクセスできる機能などを事前に設定しておき、利用時にユーザー認証などを行うことで、その制御を行うことが必要になる。ACTは、ネットワークに接続された複合機などの使用を制御する際にPCから発行される、ユーザーごとに印刷の実行や禁止を制御するためのアクセス制限情報のこと。
  • ※5
    Active Directory
    マイクロソフトによって開発されたディレクトリ・サービス・システム。ネットワーク上にあるユーザー情報、接続されているプリンターなどのリソースを記憶し、検索しやすいようにまとめたもの。大規模なコンピューターネットワークで利用されることが多い。
  • ※6
    日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)「2012年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書(上半期速報値)」より

クラウド印刷技術

クラウドの顧客データをドライバーレス、高圧縮で出力

近年、クラウドコンピューティングの普及により、アプリケーションをPCにダウンロードすることなく、ネットワーク上でさまざまなサービスを利用することができるようになりました。

キヤノンは、その一つであるクラウド上の顧客管理(CRM)のサービスを支える技術を開発しています。このサービス(Canon Business Imaging Online)は、ユーザーがCRMベンダーのクラウドサーバーで処理した各種データを見積書や納品書、請求書などに変換して出力するもので、その実現にキヤノンのデータフォーマット変換技術が貢献しています。

Canon Business Imaging Onlineの概要

キヤノンのクラウドサーバーでは、CRMベンダーのサーバーから受け継いだ顧客や売上などのさまざまなデータを各種帳票に合わせてPDFに加工し、印刷用フォーマットであるLIPS LXに変換します。データフォーマット変換技術では、このPDFからLIPS LXへの変換をドライバーレスで行い、さらにデータサイズのコンパクト化を実現(従来のドライバーによる変換の約1/4)。高速・高画質な出力が可能になりました。

他にも、ユーザーが1回の認証で関連するサービスすべてにアクセスできるシングルサインオンの技術をはじめ、同サービスを利用する他のユーザーにデータを漏洩させないためのマルチテナント対応技術、サーバーの負荷が増えてもユーザーへの応答に影響を与えない分散処理技術など、キヤノンのさまざまな技術がクラウドサービスを支えています。

コントローラー・アーキテクチャー

複合機のランダムな処理を確実に実行

アドバンスドiRコントローラーの概念

プリント、スキャンなどコンカレント処理(同時並列複合処理)を実行するオフィス向け複合機では、そのデータ処理量が莫大になります。そのため、製品の心臓部は複数の機能を高効率に処理する必要があり、キヤノンでは製品に応じて専用のプロセッサーを開発しています。

「アドバンスドiRコントローラー」は、システム全体のパフォーマンス、ソリューション対応力を高めるため、イメージングプロセッサーを搭載した画像処理コントローラー部と、インフォメーションプロセッサーを搭載した情報処理コントローラー部で構成されています。この二つのコントローラー部を高速バスのPCI Expressで接続することで、処理能力を最大限に活かすだけでなく、それぞれのコントローラー部を最適化し、ドキュメントワークフローの進化に対応できます。

イメージングプロセッサーは高度な画像処理技術を搭載するほか、複合機の基本機能であるプリント、スキャンなどの高速化を実現しています。一方、インフォメーションプロセッサーでは、ネットワーク・インターネット環境との優れた親和性を実現し、セキュリティ機能や外部システムと連携することで、多くの新機能を実現しています。

VL圧縮技術

A4サイズの画像データを印刷するためには、600dpiフルカラーで100MBの画像領域が必要であり、これを迅速に処理するためには、高速かつ高効率な圧縮技術が必要です。

「VL圧縮(Visually Lossless compression)技術」は、イメージングプロセッサーに搭載されたさまざまな画像処理技術の一つです。PDL※7データの画質と圧縮率を適切なバランスで両立させる、キヤノン独自の画像圧縮技術です。

PCからPDLデータを印刷するように命令を受けると、システムはまずそのデータをタイル状に細かく分割します。分割された画像データは順不同に圧縮エンジン部に送られて処理されますが、その際、画像データを自動的に二つのタイプに分けるのがこの技術の特徴です。

VL圧縮方式の概要

自然画や複雑なCGが多く含まれる画像は、たとえ圧縮しても、人の目には劣化が判断しにくいという特徴があります。このため、圧縮率を高くできる符号化処理を行っても、充分に高画質な画像として認識できます。そこで、これらの画像データに対しては、自然画やCGに適したキヤノン独自の圧縮方式を採用し、高い圧縮率で処理します。

一方、文字や線画が多い画像は、劣化すると元の画像との違いが目立つ特徴があるため、劣化がない符号化処理が必要です。そこで、これらの画像データに対しては、文字や線画に適したキヤノン独自の圧縮方式によって、画質の劣化を抑えて処理します。

このように画像データのタイプによって圧縮方式を自動的に使い分けることで、高速かつ高効率な圧縮を達成することができます。

VL方式とJPEG方式の画像比較の一例

100MBの画像をVL方式とJPEG方式で約2.5MB(約1/40のファイルサイズ)まで圧縮したもの。JPEG方式の圧縮画像に比べ、VL圧縮画像の方が高画質なことが分かる。

  • ※7
    PDL
    ページ記述言語で、Page Description Language の略。コンピューター上で作成された文書や画像などを印刷する際に、プリンターへの出力イメージを記述してプリンターに対して指示する言語のこと。代表的なものに、キヤノンのLIPSやアドビシステムズ社のPostScriptなどがある。

MEAP/MEAP Connector/MEAP Web

ビジネスモデル構築をサポート

「MEAP※8」は、キヤノンの複合機に搭載されたアプリケーション・プラットフォームです。ユーザーのニーズにカスタマイズさせたアプリケーションとして、コンピューターを介さずに実行することができます。MEAPは、主に、基本的な実行環境を提供するMEAPプラットフォーム、システム関連の機能を提供するMEAPシステムサービス、MEAPアプリケーションの三つで構成され、Java技術によってOS非依存を実現しています。

MEAP Webの構成概念図
複合機は業務システムと接続時に相互認証しているため、システム利用の際はユーザーIDのみで簡易認証が可能

「MEAP Connector」はMEAPがベースとなった技術です。従来、複合機で直接出力することができなかった帳票などの業務システムを、業務フローの一環として複合機と密に連携させることができます。

「MEAP Web」は、Webアプリケーション※9から複合機の機能を呼び出すことが可能です。操作パネル上に表示されるWebブラウザーを使うことで、Webアプリケーションと複合機をシームレスに操作できます。MEAP Webは、複合機とWebベースの業務システムとの連携を飛躍的に高め、文書業務の進化に貢献します。

  • ※8
    MEAP:Multifunctional Embedded Application Platformの略。
  • ※9
    Webアプリケーション
    Webの機能を利用したアプリケーション。ユーザーがリクエストすると、サーバーがコンテンツを生成して提供するしくみになっている。

プリンティングシステム

出力パフォーマンスを向上させる

オフィス向け複合機で高速・高解像度な出力を実現しようとすればするほど、コントローラーに大きな負荷がかかります。キヤノンでは、各製品に最適なデータ処理を行い、コントローラーに過大な負荷を与えずに、効率よく高速・高解像度出力するプリンティングシステムを開発しています。

LIPS LX/CARPS2

LIPS LX ロードバランシング概念図

オフィス向け複合機やレーザープリンター・複合機には、キヤノンが開発したプリンター専用ページ記述言語LIPSの「LIPS LX」を搭載しています。LIPS LXは、プリントデータを構成する各データの処理をPCとプリンター間で効率よく負荷分散するロードバランシング機能を実現しており、プリンターのRIP※10性能に合わせることで最適なデータ処理を実現しています。なお、従来の「LIPS IV」と組み合わせることで、「LIPS V」と呼びます。

また、低価格機向けのページ記述言語「CARPS2」では、LIPS LX の技術を活かして、PC側でデータ処理を行うことで、処理性能の低いプリンターでも高速なプリントを実現しています。

  • ※10
    RIP
    Raster Image Processorの略。ページ記述言語(PDL)からビットマップデータを生成するプロセスのこと。

高速RIP

一般的なプリンターのRIPはソフトウェアで処理を行っています(ソフトウェアRIP)。しかし、データ量の多いカラー機の場合、ソフトウェアRIPでは高速な処理ができないことが多いため、ハードウェアRIPでの処理が必要となります。

キヤノンはプリンターのさらなる高速化・高解像度化の方向性を見すえ、ソフトウェアRIPとしてもハードウェアRIPとしても利用できる高速RIPのコア技術を開発し、製品に搭載していきます。また、キヤノンは、内部処理のさらなる最適化や並列化による高速対応と、内部データの圧縮によって高解像度データを高速に処理する技術の開発も進めていきます。

ドキュメント処理技術

紙原稿を自動解析して再利用可能で高品位な電子ドキュメントを生成

キヤノンのオフィス向け複合機では、読み取った原稿をコピーするだけでなく、原稿を解析・処理して再利用可能な電子ドキュメントを生成する、「ドキュメント処理技術」を搭載しています。

ドキュメント処理技術では、最初に「ドキュメント解析」を行います。ドキュメント解析技術は、スキャンした紙原稿からレイアウトを解析し、文字、図表、写真、グラフィックスなどをオブジェクトとして抽出し、それぞれの領域に分割、それぞれの属性や位置、大きさの基本データを生成する技術です。その基本データに文字認識処理、ベクトル化処理※11、画像処理、圧縮処理などの処理を行うことで高品位なドキュメントを生成します。

ドキュメント処理技術に基づく電子ドキュメント生成の概念
  • ※11
    ベクトル化処理
    解像度に依存しない、形状情報を保存するグラフィック表現形式(ベクトルデータ)にすること。拡大してもなめらかな輪郭線を描くことができる。

高品位ドキュメントと低容量を両立する 「高圧縮PDF※12変換技術」

「高圧縮PDF変換技術」は、「ドキュメント解析技術」により抽出された文字や画像データを複数のレイヤーに分離し、それぞれのレイヤーごとに最適な圧縮を行う技術です。

この技術により、解像度を保持したまま圧縮率を上げることに成功し、従来は150dpiで約2MBに圧縮されたA4カラー画像を、300dpi相当で約1/10(200KB)以下に圧縮できます。キヤノンはこの技術を世界で最初に複合機に搭載し、特にデータ容量の大きなカラー文書画像データのネットワーク上でのハンドリング性能を飛躍的に向上させました。

  • ※12
    PDF(Portable Document Format)
    アドビシステムズ社が開発した文書交換フォーマットで、文書のやり取りやインターネット上の文書公開などに広く使われている。

画像PDFの文字検索を可能にする 「サーチャブルPDF変換技術」

「サーチャブルPDF変換技術」は、「ドキュメント解析技術」で抽出、認識された文字データをテキストレイヤーとして画像に付加することで、PDFドキュメント中の文字検索を可能にします。処理速度は、A4用紙で毎分20枚と高速で、精度も97.75%(日本語自社評価サンプル)と高精度です。また、日本語だけでなく英語をはじめ、欧州やアジアの各種言語にも対応しています。

どの環境でも精細な文字表示を実現する 「アウトラインPDF変換技術」

「高圧縮PDF変換技術」をさらに進化させたのが「アウトラインPDF変換技術」です。従来は、スキャン画像から抽出した文字データ、背景データを合成していましたが、アウトラインPDFでは文字データをベクトルデータに変換して圧縮し、出力機器の解像度に依存せずに、高精細な文字を表示することを可能としました。

アウトラインPDFで変換したデータは、Adobe Illustratorを使用することで、文字やグラフィックデータの再利用が可能で、文書画像の再利用の範囲が大きく広がります。

イラスト:従来方式のPDF [従来方式のPDF]
[アウトラインPDF]
「アウトラインPDF変換技術」による、環境に依存しない、なめらかな文字表現

紙文書の再利用を促進する 「Office Open XML変換技術」

「Office Open XML変換技術」は、Microsoft Office 2007で採用されたXMLベースの新しいファイル形式に変換する技術です。紙文書をスキャンする際に、文字データをテキストデータに変換して文字列の編集を可能にしたWord形式のほか、文字データや図形データをベクトルデータに変換し、画像や背景、レイアウトを保持したPowerPoint形式に変換することが可能です。そのため、従来のPDF変換に比べて文字や図形の変更を簡単に行うことができ、原本が紙のみの場合でも、これまで要していた入力や編集の手間が大幅に軽減できます。

1パス両面同時読み取り技術

高速スキャンと複合機本体のコンパクト化に貢献

スキャナーユニット

従来、原稿の両面を読み取る場合は、原稿をフィーダー※13で反転して片面ずつ読み込む必要がありました。キヤノンは、これまで構成が複雑で部品が点在していた光学系を一つにまとめたことで、フィーダー側と原稿台ガラス側の両方にスキャナーユニットの搭載を可能としました。これにより、1回の原稿読み込み(1パス)で原稿の両面を同時に読み込むことができ、大幅な高速読み取りが実現しました。さらに、紙詰まりをはじめ、読み込む原稿にダメージを与える可能性が減少するほか、原稿反転時の動作音もなくなりました。

このスキャナーユニットには小型高性能の4カラーラインセンサー、白色LED、キヤノン独自の自由曲面ミラーを採用しています。

独自開発の4カラーラインセンサーは従来のセンサーに比べてデータ転送速度が速く、高速に読み取ることが可能です。光源には白色LEDを採用することで、キセノンランプを使用した従来に比べ消費電力を約4分の1に低減するなど、省エネルギーも実現しています。また、自由曲面ミラーの採用で、従来より被写界深度を深く確保でき、表面に凹凸のある物をスキャンする場合に奥行き感までを再現することが可能になりました。光路長も従来比47%と短くしてスキャナーユニットの小型化に成功し、複合機本体の省スペースにも貢献しています。

  • ※13
    フィーダー
    原稿を読み取り部まで自動的に搬送する機構。

小型長寿命ドラムカートリッジシステム

高品位画像とメンテナンスの負荷低減、省資源を両立

小型長寿命ドラムカートリッジシステム

電子写真方式でプリントする複合機では、感光ドラムが消耗するなどの理由により、定期的なメンテナンスが必要でした。キヤノンは、メンテナンス回数の低減と省資源への貢献をめざし、小型長寿命ドラムカートリッジシステムを開発しました。

このシステムに搭載されているE(Excellent)ドラムは、感光層の表面に独自開発の削れにくいコート層を加え、高耐久性・高安定性を実現した感光ドラムです。

小型長寿命ドラムカートリッジシステムには、Eドラムの長寿命の特徴を活かしながら、徹底した小型化、低コスト化のために新たに三つの機構を加えました。「帯電ローラークリーニング機構」は、帯電ローラーに清掃部材を付加することで汚れを軽減し、従来よりも大幅な長寿命化を達成しました。「クリーナー前露光機構」は、露光後の感光ドラムから残留電荷を除去する光源をLEDに変更し、小型なサイズと低コストを実現しました。また「トナー除去クリーナー機構」は、クリーニングブレードを固定しないことで感光ドラムの摩耗を軽減します。

pQ(Pure Quality color)トナー

色再現性の向上にも貢献

pQトナーは、トナー中のワックス成分を微細かつ均一に分散させることで、オイルレス定着を実現するとともにグロスの均一化を可能にしたトナーです。Vトナーで培った顔料微分散技術の採用により、表現できる色空間が拡大し、複合機の色再現性が向上しています。さらに、トナーの表面形状を改良することで転写性を向上させました。これにより、トナー像をより忠実に再現し、くっきりとした文字、細部まで明瞭な図面やグラフの出力を可能にしています。