交換レンズの搭載技術

デジタル一眼レフカメラやデジタルシネマカメラなどに装着できる交換レンズは、その一本一本にキヤノンの先進の技術とノウハウが宿っています。ここでは、そのEFレンズ群に搭載されたテクノロジーをご紹介します。

SWC(Subwavelength Structure Coating)

ナノテクノロジーから生まれた最先端レンズ

SWCの構造
入射光はくさびの先端から根本へ吸い込まれるように導かれる。

今までにない画期的なレンズ技術をキヤノンは次々と生みだしています。

レンズ表面にナノサイズの構造物を配列した「SWC」は、屈折率を連続的に変化させてあらゆる角度の反射光を抑えることに成功し、フレアやゴーストの課題を解決しました。

DO (Diffractive Optics)レンズ

望遠レンズの小型・軽量化を実現

一眼レフカメラ用DOレンズは、回折と屈折で色収差がまったく逆に発生する性質を利用して色収差を抑制。望遠レンズの大幅な小型・軽量化を実現しました (EF400mm F4 DO IS USM)。

DOレンズによる色収差補正の原理

DOレンズは、ガラスレンズの表面上に精密な回折格子を接合し、数μmm精度で近接した積層構造になっています。これはカメラ用レンズとして、キヤノンが世界で初めて開発した技術です。

また、回折格子の材料や形状、構造などをさらに研究して、回折光学素子を3積層にした、3積層型DOレンズを開発。EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMに搭載し、望遠ズームレンズの小型化にも成功しました。

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ハイブリッドIS

角度ブレとシフトブレを共に補正するハイブリッドIS

手ブレによる撮影ミスは、シャッターが開いている間にカメラ自体が動くことが原因で起こります。この手ブレを詳しく分析すると、カメラを軸にレンズが動く場合、光軸を中心にカメラが回転する場合、水平方向へカメラが動く場合に分類することできます。カメラを軸にレンズが動く「角度ブレ(図1)」は、従来の手ブレ補正機構(IS)によって適切に補正することが可能でした。しかし、マクロ撮影などの近接領域では、平行方向にカメラが動く「シフトブレ(図2)」が大きく影響します。

キヤノンが開発した「ハイブリッドIS」は、カメラを軸にレンズが動くことで起こる「角度ブレ」と、マクロ撮影時に起こりやすい、平行方向への動きによる「シフトブレ」を同時に補正できます。角度ブレを検知する振動ジャイロ(角速度センサー)に加え、平行方向へのブレを検知する加速度センサーを搭載。この2つのセンサーが立体的に捉えたカメラの動きをもとに、新開発のアルゴリズムがブレ量を算出して、マクロ撮影での最適な手ブレ補正を行います。

イラスト:角度ブレとシフトブレを共に補正するハイブリッドIS
撮影倍率とブレ量の関係
角度ブレ量とシフトブレ量の比較は、撮影条件によって異なります。撮影倍率が等倍(1倍)に近づくほど角度ブレだけではないシフトブレ成分を含んだブレ量が急激に大きくなり、その補正が重要となります。

静かでスムーズなAF

静かでスムーズな動画サーボAFを実現するSTM

オートフォーカスする際に発生するレンズの駆動音は、特に動画撮影時には気になるものでした。そこでキヤノンは、このレンズの駆動音を最小限に抑えるSTM(ステッピングモーター)をEFレンズに搭載しました。

このSTMは、パルス電力に同期して動作するモーターで、電気信号1パルスにつき、1ステップ分回転します。そのため、パルスモーターとも呼ばれるこのSTMは、起動・停止するときのレスポンスや制御性の高さが特長です。しかも、メカニカル構造がシンプルなため、静かでスムーズな駆動とレンズの小型化の実現に寄与します。

静粛性・スムーズさに優れたリードスクリュータイプのSTMは、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMやEF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STMなどに採用されています。

STM(リードスクリュータイプ)
EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM