コンパクトデジタルカメラの搭載技術

高画質、高機能、そして手軽さと使い勝手の良さで高い評価を得ているキヤノンのコンパクトデジタルカメラ。そのボディには、カメラメーカーとして培ってきた光学技術をはじめとする最先端技術が高度に統合されています。

レンズシフト式手ブレ補正機構(IS)※1付き超小型レンズユニット

カメラ本体の小型化と画像の高画質化に貢献

デジタルカメラには、手ブレを補正するためにさまざまな技術が使われています。キヤノンは1980年代から開発を進め、性能を向上させてきた「レンズシフト式手ブレ補正機構(IS)」をコンパクトデジタルカメラにも搭載しています。これは、カメラ内部のジャイロセンサーが検出した情報を受けて、ブレ量を解析し、手ブレの影響を打ち消す方向へレンズユニット内の補正系レンズを動かすというしくみです。

金属に比べ熱変形が少なく、低摩擦なので、応答性も高い。
シフトレンズのセラミックボール支持方式

キヤノンのコンパクトデジタルカメラでは、カメラ本体の小型化と高い描写力を両立させるために、多くの製品に「UAレンズ※2」を含んだレンズユニットを使用していますが、この超小型で精密なユニットにも、キヤノン独自の手ブレ補正技術が採用されています。補正系レンズの駆動には、独自の「セラミックボール支持方式」を採用。セラミックボールは磁気の影響を受けにくいだけでなく、金属より熱変形が少なく、低摩擦という特性があります。高精度の制御回路との相互作用によって、滑らかで正確な動作と優れた応答性を実現しています。

  • ※1
    手ブレ補正機構(IS:Image Stabilizer)
    手ブレ補正の方式には、ほかにイメージセンサーシフト式や電子式がある。レンズシフト式による手ブレ補正は補正範囲が広く、画質がほとんど劣化しないというメリットがある。
  • ※2
    UAレンズ(Ultra high refractive index Aspherical lens)
    超高屈折率ガラスモールド(GMo)非球面レンズ。この非球面レンズのほかに、光学特性の異なるさまざまなレンズを最適に組み合わせることで、キヤノンレンズならではのシャープで抜けのよい描写を可能としている。

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マルチシーンIS

キヤノンは手ブレ補正の技術をさらに進化させ、撮影状況に応じて最適な手ブレ補正モードが自動選択される「マルチシーンIS」を新たに開発しました。手ブレが画像に与える影響は静止画か動画か、また、ズーム位置、撮影距離などによって異なります。マルチシーンISは、シーンキャッチテクノロジーによって撮影の状況をカメラがその時々に判断し、最適な手ブレ補正の制御を行う技術です。例えば、通常の静止画撮影において、被写体までの距離を近距離と判断した場合、マクロ撮影で目立ってくるシフトブレを補正する「ハイブリッドIS※3」モードが起動します。また、望遠で動画を撮影中の場合、動かない被写体を狙って撮影していると判断すると、ゆっくりとした手ブレを補正する「パワードIS」モードを起動します。

このように「マルチシーンIS」は、6種類の手ブレ補正モードの中から最適なモードがオートで選択され、よりきめ細かな手ブレ補正が行われるようになりました。

  • ※3
    ハイブリッドIS
    手ブレには主に被写体に対してカメラが傾く角度ブレと、カメラが上下左右に平行移動するシフトブレの二つがある。キヤノンが開発したハイブリッドISは、これら2種類のブレを適切に補正するもので、通常の手ブレ補正に加えて、近距離撮影などの手ブレ補正も効果的に行える。

DIGIC 6

進化し続けるキヤノンデジタルカメラの頭脳

映像エンジン DIGIC 6

デジタルカメラのレンズから入ってきた光は、撮像素子(CCD/CMOS)によって電気信号へ変換されます。その信号から自然な色を再現し、豊かな階調を持ち、ノイズの少ない画像データを生成するのが画像処理プロセッサー※4です。キヤノンデジタルカメラの画像処理プロセッサー「DIGIC」は、独自のアーキテクチャーを採用し、非常に高速な演算処理を可能とした高性能システムLSIです。

DIGICは独自のアルゴリズムにより、偽色やモアレの低減、長時間露光時や高感度撮影時のノイズ低減などを高速に実行したり、液晶モニター信号出力の高精細化なども行っています。また、プロセッサー部分とメモリー部分を積層構造化して省スペース化も実現。カメラ本体の小型化にも貢献しています。さらに、キヤノンのコンパクトデジタルカメラには「HS SYSTEM」という低照度時でもノイズの少ない高精細な画像が撮影できる技術が採用され、明暗が混在するシーンや夜景など幅広い撮影領域に対応していますが、これは、集光率を高めた高感度撮像素子の能力を「DIGIC」がフルに引き出すことで実現しています。

DIGIC 6※5では、従来よりも画像処理のさらなる高速化を図る一方で、よりいっそうの高画質化を進めました。特に、高感度撮影時にも解像度を保ちつつノイズ成分のみを低減させるノイズリダクション性能や、低下した解像感を向上する補正処理などの高性能化により、静止画および動画の解像感などが向上しています。また、動画撮影の性能も大幅に向上し、フルHD動画はノイズを抑えた美しい画質を実現しています。さらに、フルHD動画では60fspの記録も可能です。

  • ※4
    画像処理プロセッサー(映像エンジン)
    CPUコア部、プログラムを格納するメモリー部、タイマー機能、外部との入出力部が、一つの集積回路につくり込まれたマイクロコンピューター。デジタルカメラの画像信号処理には高速演算が必要なため、キヤノンはソフトウェアによる信号処理が一般的だった頃から信号処理のLSI化に取り組み、デジタルカメラの高速信号処理、高画質化、高機能化を実現してきた。
  • ※5
    DIGIC 6
    IXY DIGITALシリーズ、PowerShotシリーズ、EOSシリーズに共通して使われるキヤノンの画像処理プロセッサーの最新バージョン。DIGICはローエンド機からハイエンド機まで幅広くカバーする高性能プロセッサーであり、各製品に搭載の際、製品の機能が機種ごとに最高のパフォーマンスを発揮するようカスタマイズされる。

フェイスキャッチテクノロジー/モーションキャッチテクノロジー/シーンキャッチテクノロジー

最適設定での撮影をサポートする三つのコア技術

キヤノンのコンパクトデジタルカメラには、さまざまな被写体、動き、シーンにおいてオートで最適な設定がされ、簡単にきれいな写真が撮れる技術が搭載されています。

まず「フェイスキャッチテクノロジー」は、人間の顔の特徴をもとにした顔検出アルゴリズムと「iSAPSテクノロジー」を組み合わせることによって、画面内にいる人物の顔を自動的に高速で認識して、ピントや露出を最適に制御します。最大で35人の顔が検出でき、最大で9人までの検出枠を液晶モニターに表示します。

シーンキャッチテクノロジーの概要

次に「モーションキャッチテクノロジー」は、被写体の動きに対応します。被写体の動きの有無、動きの速さや方向を即座に検知し、最適なISO感度・シャッター速度・F値(絞り値)を選択して、被写体ブレの影響を可能な限り抑えます。

そして「シーンキャッチテクノロジー」は、撮影シーンを自動判別します。被写体の明るさとコントラスト、被写体までの距離、画面全体の色合いなどを総合的にとらえ、最適な撮影設定にします。

キヤノンのコンパクトデジタルカメラには、これら三つの画像認識技術を組み合わせた「こだわりオート」という機能が搭載されています。カメラを被写体に向けるだけで最大32の撮影シーンを自動的に識別し、それぞれのシーンに合わせて明るさや色合いなどを調整します。

登録した人を見つけ出して露出とピントを合わせる「個人認証」

キヤノンの顔検出アルゴリズムがさらに進化。全自動撮影機能「こだわりオート」に「個人認証」が加わり、撮影時に画面に映る複数の人物から、事前登録しておいた人を自動で検出し、ピントと露出を優先的に合わせます。

58シーンの分類表

登録はカメラ1台につき、最大で12名。「顔」と「名前」「誕生日」を登録することで「赤ちゃん(0歳~2歳未満)」「子ども(2歳~12歳以下)」「大人(13歳以上)」に登録者を分類。子どもと認識すれば、自動的に「サーボAF」に切り替わり、被写体が動いてもピントと露出が追随して、最適な撮影を可能にします。

  • *1
    ドライブオート(連続撮影)ON時のみアイコンが表示されます。
  • *2
    ストロボを「発光禁止」にすると表示されます。
  • *3
    撮影シーンが暗い時に、三脚などでカメラを固定すると表示されます。
  • *
    シーンによっては、実際のシーンと異なるアイコンが表示されることがあります。

撮りたいものを追尾する「主役フォーカス」

主役フォーカス

キヤノンが新たなアルゴリズムを開発し、フェイスキャッチテクノロジーを進化させたのが「主役フォーカス」で、人間の顔だけでなく動物や乗り物にも対応します。カメラが撮りたい主役の被写体を自動で検出してピントを合わせ、液晶モニターにフレームを表示します。そして、それが動いている場合はAFが追尾し、さらにシャッターボタンを半押し状態にすると、ピントと露出の両方を合わせ続けます。

逆光や暗所で威力を発揮する「ぴったりフラッシュ」

ぴったりフラッシュ

フェイスキャッチテクノロジー、モーションキャッチテクノロジー、シーンキャッチテクノロジーの三つの技術をベースにしたストロボ制御技術が「ぴったりフラッシュ」で、逆光や暗所の条件下で、カメラが自動で発光量・シャッタースピード・F値・ISO感度などを総合的にコントロールします。例えば、暗い室内で被写体と背景に距離差があるとき、被写体を白とびさせずに、背景も明るくバランスよく撮影することができます。

iSAPSテクノロジー

高速かつ高精度な制御を可能にする

キヤノンには、これまでのカメラ開発で蓄積してきた膨大な写真データベースがあります。その撮影データからユーザーの特性を統計的に分析、「レンズの焦点距離やズーム位置」、「周辺の明るさ」、「被写体までの距離」の相互関係をデータベース化しています。

ある焦点距離のもとでの被写体位置の分布
Photographic Spaceの概念図

そのデータベースが「Photographic Space」(下図)で、これをもとにユーザーが撮影しようとするシーンを予測し、カメラを最適な状態に高速で制御するシステム「iSAPS(intelligent Scene Analysis based on Photographic Space)テクノロジー」を開発しました。この技術により、直前の撮影で得られた撮影パラメーターがカメラ内のデータに加味され、カメラと被写体間の距離を推定して、AF※6の高速化や精度向上、AEやAWB※7の最適な制御を可能にしています。

  • ※6
    (iSAPSハイスピード)AF
    事前に解析した撮影シーンに応じてあらかじめフォーカス位置を予測、短時間でピント合わせを可能としている。
  • ※7
    (iSAPSインテリジェント)AE/AWB
    選択した撮影モードごとに最適化したアルゴリズムを適用。その時々のモードと環境に応じた露出、ホワイトバランスが得られ、撮影の失敗が少なくなる。

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