キヤノンサイエンスラボ・キッズ
レンズは、光をくっ折させてその通り道を規則正しく折り曲げる道具といえます。しかし、実際にはさまざまな理由で、光の通り道が規則正しくなくなったり、1点に集まる光が完全には1点にならなかったりします。ですから、光の集まり方がより規則正しく、点に近いレンズを、性能の良いレンズと言います。そして、光の通り道を乱したり、1点に集まりにくくする要素(原因)のことを、レンズの「収差(しゅうさ)」といいます。
球面収差
色収差
球面と非球面
色収差はレンズの持っている基本的な性質ですし、球面収差は球面を使っている以上、かならず発生します。ですからこの2つの収差は、レンズをつくる技術をどんなに精密にしても、完全になくすことができません。
そこで、カメラレンズや望遠鏡などのレンズの性能を上げるために、とつレンズとは逆の収差を持つおうレンズを組み合わせるなどして、色収差や球面収差を打ち消す工夫がなされています。高性能なカメラレンズや望遠鏡に、何枚ものレンズが使われているのはこのためです。
さらに最近では、もっと高い性能のレンズをつくるため、特別な方法が用いられています。
たとえば、色収差を取りのぞくための技術には、特別なガラス材料を使ったレンズがあります(UDレンズなどと呼ばれています)。このレンズの材料は、プリズムのような光を分ける効果が非常に弱いため、色収差の量を事実上、問題にならないくらいに小さくできるのです。
また、球面収差についても、周辺にいくに従って焦点(しょうてん)距離(きょり)が長くなるようなカーブの面をもつ、非球面レンズもつくられています。
これらの特しゅレンズを使ったカメラレンズや望遠鏡、顕微鏡(けんびきょう)は、たいへん高い性能を発揮します。
高性能カメラレンズの光学系断面図
UDレンズ
非球面レンズ
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