光の“正体”は? 光で宇宙もわかる

スペクトルでわかること

光を分解して、どの波長の光がどれくらいあるかがわかるスペクトル。
このスペクトルはたいへんたくさんの情報を持っています。
例えば、太陽光、電球、蛍光(けいこう)灯のスペクトルのちがいに見られるように、光るしくみ・性質のちがいをスペクトルで見て取ることができます。

さらに、光っているものの温度も、スペクトルのちがいとしてわかります。また、スペクトルの中にある特に明るい部分(輝線(きせん))や、暗い部分(暗線)などの様子から、どんな物質が光っているのかが分析できます。スペクトル分析は、この原理を使ったもので、微量(びりょう)な物質の成分を調べることができます。

スペクトル分析(ぶんせき)装置の概念(がいねん)

何万光年もの遠くにある星の様子がわかる!

さらに、遠くの星から届いた光のスペクトルを分析すると、何万光年もはなれた場所でありながら、その星の温度や光っている成分、その星の近くのガスの成分などを調べることができ、その星にどのようなことが起きているのかが推測(すいそく)できるのです。
このような天体のスペクトル観測は、重大な宇宙の謎(なぞ)を次々に解き明かしています。

いろいろな星のスペクトル

いろいろな星や星雲のスペクトルです。
おおいぬ座のα星(シリウス)は、青がたいへん明るいですよね。
アンドロメダ座R星は青い所が少ないですね。これらを分析するとその星や星雲の成分までが分かるのです。

オリオン星雲のスペクトルの形がちがうのは、観察方法が少し異なるためです。

宇宙論もスペクトルから

たくさんの遠い星(実際には銀河)のスペクトルを調べていたとき、不思議な現象が見つかりました。遠いところにある星ほど、スペクトルが赤の方向にかたよっていたのです。これはいったいどういうことでしょうか?皆さんは救急車のサイレンが、近づくときと遠ざかるときで音の高さが変わる経験をしたことがあると思います。これは、音が空気の振動(しんどう)の波であるために起きる現象です。一定の波を出すものが近づいてくるとき、観測者には(波長が短くなるため)音が高く聞こえ、遠ざかるときはこの逆で、(波長が長くなるため)音が低く聞こえるというもので、ドップラー効果と呼ばれる現象です。

光も波ですから星のスペクトルが赤い方、つまり波長の長い方にかたよっているということは、その星がものすごいスピードで遠ざかっていることを示します。そして、遠い星ほどかたよりが大きいということは、遠いものほどそのスピードが速いということがわかるのです。

このことから宇宙が膨張(ぼうちょう)しているということが考えられ、そして宇宙の始まりにビッグバンというできごとがあったという、現在の宇宙論ができあがっていったのです。

ビッグバン宇宙論の想像図

ビッグバン宇宙論の想像図

光のなぞ 光の“正体”は?

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