ヴィレブロルト・スネル 光の屈折の法則を発見した科学者

「スネルの法則」のスネル

光の屈折は、身近なところでも観察できます。例えば、コップに水を入れ、その中にストローをななめに入れるとストローが水面のところで折れ曲がったように見えます。これは光が屈折しているためにおこる現象です。

この「光の屈折」についての研究は古くユークリッドやイブン・アル=ハイサムなど、さまざまな科学者が研究してきました。しかし、光が水面に差し込むときの入射角と差し込んだ後の屈折角がどれだけになるのか、正確に計算する方法は見つかりませんでした。

この光の屈折角を求める方法を発見したのが、オランダの数学者ヴィレブロルト・スネル(1580〜1626年)です。そのため、この法則は「スネルの法則」と呼ばれています。

ヴィレブロルト・スネル

ヴィレブロルト・スネル(1580〜1626年)

光の屈折の法則を発見

スネルは、1621年に光の屈折について実験を行い、屈折の角度と光の通り道の長さを正確に測りました。
右図で、水中に差し込んだ光が、点Aで屈折し、壁に当たっています。そこを点Bとします。

もし光が屈折しなかったら、点Cに当たっていたはずです。スネルは、ABとACの長さに、次のような関係が成り立つことを見つけました。

[ABの長さ]:[ACの長さ] = 4:3

光の入射角が変化しても、4:3という比率は、ほとんど変化しなかったのです。水の代わりにガラスで実験すると、比率はおよそ3:2になりますが、やはり入射角が変化しても、その比率はほとんど変化しません。

物質ごとにABの長さとACの長さの比率がどのくらいになるのか、あらかじめ調べておけば、屈折角を正確に計算することができるのです。スネルは、比率の式によって、ついに光の屈折を正確にとらえたのです。

このスネルの法則は、現在、光ファイバーを使った光通信などに利用されています。

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スネルが発見した入射角と屈折角の関係

スネルが発見した入射角と屈折角の関係

光の入射角が変化しても4:3という比率はほとんど変化しません。

発表されなかった「スネルの法則」

ちなみにスネルは、この式について記録を残しただけで、なぜか発表しませんでした。スネルが亡くなって70年近くたってから、オランダの物理学者クリスティアーン・ホイヘンスが『光についての論考』という本の中で紹介して、スネルの法則は広く知られるようになりました。

実は、イギリスの天文学者トーマス・ハリオットは、スネルよりも早くこの法則を発見していたのですが、彼も発表しなかったために、埋もれることになってしまいました。ハリオットが屈折の法則をすぐに発表していたら、人々はこの法則を「ハリオットの法則」と呼んで、すぐに使いはじめたことでしょう。

何かを発見したら発表することは、自分自身の名誉のため、そしてみんなでそれを利用するために、とても大切なことなのです。

『光についての論考』の屈折についての説明

クリスティアーン・ホイヘンス
『光についての論考』の屈折についての説明

光の科学者たち

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