カメラを作ってみよう よく写る本格ピンホールカメラ

よく写る本格ピンホールカメラ

カメラの原点であるピンホールカメラを、ブローニー判(120判)のフィルムを利用して製作します。

用意するもの

  • ボール紙(※注1)
  • 段ボール
  • アルミホイル
  • プラスチック棒(直径5ミリのもの)
  • 家具すべりシート
  • ブローニー判フィルムのスプール
    (巻き取り軸(じく):※注2)
  • ブローニー判の写真フィルム(※注3)
  • 墨汁(ぼくじゅう)
  • はけ
  • 木工用ボンド
  • ビニールテープ
  • 文房具など
※注1
ここで使用するボール紙はクラフト用ボール紙(模型店などであつかっています)などの、厚さ0.4~0.5mm程度のものを想定しています。学校などで使う工作用紙はややコシが弱い(やわらかい)ので、厚さの割にじょうぶに作れませんが、作ることはできます。
※注2
カメラ店やフィルム店などで手に入ります。
※注3
ブローニー判とスプール ブローニー版の写真フィルムとは、はば60mmのロールフィルムです。
ISO感度100のものが使いやすいでしょう。
購入(こうにゅう)するときは、必ず裏紙のついた120というタイプを指定してください。ブローニー判には他に長いけれども裏紙のついていない220という規格がありますが、こちらはこのカメラには使えません。
設計図ダウンロード PDF【584KB】
組み立て方ダウンロード PDF【228KB】

すすめ方

  1. 型紙をダウンロードしてプリントアウトする。このうち型紙1~4を、水で少し薄(うす)めた木工用ボンドでボール紙にはり付ける。以下の作業は、ボンドが十分にかわいてから行いましょう。
  2. 最初に中箱を作り、別にフィルムガイドベースを切り取って中箱にはり付ける。フィルムガイド(下側は2枚重ねる)もはり付ける。できあがった中箱の内側と外側を、墨汁(ぼくじゅう)などで黒くぬっておく。
  3. 段ボールなどを切って、ボディに使用する2種類のスペーサーを作る。スペーサーは厚さ1cm必要なので、数枚切って重ねてはり合わせ、1cmになるように調節する。
  4. はり合わせた2つのスペーサーの片面(内側になる面)の指定の位置に、家具すべりシートなどのつるつるしたシートをはり付ける。ボディ外側用スペーサーには穴もあけておく。
  5. ボディ内側を作る。型紙の外側の線に沿って切り取り、内側を黒くぬる。と装がかわいてから折り曲げて箱にする。この時、まず内側用スペーサーを底にはりつけ、さらに窓の位置を合わせて中箱を取り付けてから組み立てる(中箱の後側=フィルムガイドベースをはった側は接着しないこと)。窓のある方が前側になる。
  6. プラスチック棒の片側のはじをコンロなどでかるくあぶって熱し、ペンチなどで押しつぶして平らにする(巻き上げ軸(じく)になる)。また、薬ビンのふたやペットボトルのキャップなどを利用して、巻き上げノブも作っておく(まだ接着しない)。火を使うから気をつけよう!
  7. ボディ外側を作る。型紙の外側の線に沿って切り取り、内側を黒くぬる。と装がかわいてから折り曲げて箱にするが、このときまず内側用スペーサーを底にはり付け、さらに巻き上げ軸(じく)を穴に通し(つぶした方が内側になる)、巻き上げノブを接着してから組み立てる。窓のある方が前側になる。コマ番号のぞき窓には、開け閉めできるようにふたをとりつけ、接着した側の反対側をテープなどで軽くとめておく。
  8. アルミホイルを2~3cm角に切り、まんなかにピンで穴をあける。このとき、ピンの先がわずかに(1mm以下)反対側に出るぐらいにする(ピンを完全につきさすと、ピンホールが大きくなりすぎる)。
  9. レンズ筒(つつ)を作る。ボール紙を切ったら、まず、中央の穴の内側に、8で作ったピンホールを、穴ができるだけまん中に来るように、セロハンテープなどで取り付ける。ピンホールをつけた側が前側になる。さらに筒(つつ)全体を組み立て、シャッター枠(わく)、シャッターカバーを取り付ける。木工用ボンドがかわいたらシャッター板をさし込み、スムーズに開閉できるように幅(はば)を切って調節する。
  10. 9で作ったレンズ筒(つつ)を、ボディの内箱に差しこむ。このとき、ピンホールのある方が前に飛び出す形になる。レンズ筒(つつ)はしっかりと差しこみ、ボディと接している部分にテープなどをはって軽く固定する。

フィルムの装てん

  1. フィルムをパッケージから出して、ほどけないように押さえながら帯封(おびふう)を切る。
  2. 紙の帯(裏紙という)先たんを5~6cmほどのばして、巻き上げ側のスプールの溝(みぞ)に差しこみ、1~2回ほど巻き付ける。
  3. 間の距離(きょり)を調節しながら、ボディ内箱の、巻き上げ軸(じく)がくる側(右側)に巻き上げ側のスプールを、反対側にフィルムを差しこむ。このとき、裏紙の黒い方が前側になるようにして、中箱のフィルムガイドとボディ内側の間に差しこむ。
  4. 窓がある側を前にしてボディ外側をゆっくりとかぶせ、巻き上げノブを左右に少し回転させ、巻き上げ軸(じく)の先たんが巻き上げスプールの軸(じく)にしっかりはまるようにしながら、ボディ内側を奥(おく)までさしこむ(ボディ内側がボディ外側から5mmほど出る)。なお、フィルムを入れた後はボディに輪ゴムなどをかけておくと良い。

撮影(さつえい)準備

  1. シャッター板が先たんまできっちり差しこんであることを確認し、コマ番号のぞき窓のふたをあける。なお、このふたをあけたところに直射日光が当たらないように注意する。
  2. 巻き上げノブをゆっくりと反時計回りに回転させ、フィルムを巻き上げる。コマ番号のぞき窓に数字の1が出たら巻き上げをやめ(行きすぎないように注意)、コマ番号のぞき窓のふたをしめて撮影(さつえい)準備完了。

撮影(さつえい)

  1. カメラのシャッター側を写したいものに向けて、カメラ全体をしっかり固定する(台などの上に置くと良い)。
  2. ボディをおさえたまま、シャッター板を点線まで引きぬき、1~4秒数えて、シャッター板をもどす。ISO感度100のフィルムで、晴れた屋外でだいたい2秒が目安になる。
  3. 撮影(さつえい)したら[撮影(さつえい)準備]と同じ手順でコマ番号のぞき窓のふたをあけ、次の数字が出るまで巻き上げる。以下、数字の12までくり返し(12枚撮影(さつえい)できる)。
  4. 12枚撮影(さつえい)し終わったら、そのまま巻き上げノブを回して、裏紙をすべて巻き取る。巻き取ったらボディ外箱をはずし、巻き取ったフィルムをぬいて、付属している帯封(おびふう)をほどけないようにはりつける。
  5. 念のため、光が入らないような容器に入れるかアルミフォイルでくるみ、DPE店に現像に出す(以下はふつうの写真と同じ)。

注意!!

巻き上げ軸(じく)を作る時に火を使いますからやけどなどしないように気をつけて下さい。
できれば大人の人と一緒に作るといいですね。
シャッタースピードは、晴れた屋外でだいたい2秒が目安です(ISO感度100のフィルムの場合)。ただし、ピンホールの大きさや被写体(ひしゃたい)の明るさで変わりますから、撮影(さつえい)をくり返してコツをつかんでいく必要があります。

応用

このピンホールカメラは、レンズ筒(つつ)を交かんすることでいろいろに応用できる仕組みになっています。たとえば、レンズ筒(つつ)を長くすると望遠レンズになり、短くすると超(ちょう)広角レンズになります(型紙では、かなり広角になるように設計してあります)。

なぜ?

ピンホールによって像ができるのは、小さな穴がフィルムにあたる光を制限しているためです。たとえば、対象のある1点からは四方八方に光がちらばっていますが、そのうちのピンホールを通りぬけた光だけが、フィルムのある1点に届きます。他の点からの光も同じように光がちらばっていますが、ピンホールを通りぬけることで先ほどとはちがうフィルム上の1点に届きます。ですから、ピンホールカメラで写る像は、対象からの光をピンホールの穴のサイズに分解して並べ直したものといえます。このため、ピンホールが小さければ像もシャープになります(この反面、像は暗くなってしまいます)。

僕が作った最初のカメラ

これでキミも“ピンホールカメラ”マンになれるぞ!

厚さ0.5mmのクラフト用ボール紙にダウンロードした型紙を少し水で薄(うす)めた木工用ボンドではり、それぞれのパーツを組み立てます。
それぞれのパーツの両側を墨汁(ぼくじゅう)などで黒くぬります。

フィルムガイド板の下部はボディ内側のスペーサーとボディとの間に入ります(フィルムガイドをはった中箱の後側は接着しません)。

ていねいに組み立てれば、キミにもピンホールカメラで面白い写真がとれるぞ。

フィルムのスプールを回す軸(じく)のためにプラスチック棒を加工します。ここではプラモデルのランナーを使いました。

フィルムのスプールを回す軸(じく)のためにプラスチック棒を加工します。
ここではプラモデルのランナーを使いました。

ボディ外側の内から作った軸(じく)を入れて、フィルムケースのふたに止めます。強力な接着ざいで固定します。

ボディ外側の内から作った軸(じく)を入れて、フィルムケースのふたに止めます。強力な接着ざいで固定します。

このピンホールカメラで撮影(さつえい)した写真

「いちょう並木の秋」

【撮影(さつえい)データ】
天候:くもり
露光(ろこう)時間:15秒
三脚(さんきゃく)使用

光のじっけん室 カメラを作ってみよう

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