開発者が語る「これがキヤノン」 業務用フォトプリンターに新ブランド誕生 高画質と高生産性を両立させた「DreamLabo 5000」

POINT 新規製品の開発に開発者集団が燃えた

難問続出だった大規模プロジェクト

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今回の開発プロジェクトは長期間にわたっていて、開発に携わった人数も大勢です。振り返ってみれば、忘れがたいエピソードもあったのでは?
制御用基板の総面積が4畳半くらいあって、実現不可能な製品ではないかと密かにささやかれたというお話も冒頭で出ましたが。
中尾
写真:中尾さん

私が担当した本体ファームウェアは、規模が大きいだけでなく、対象領域が多岐にわたっていました。それで、最初の1年間は実設計をしないと決めたんです。何をしたかというと、全体構成の検討です。技術的に成立するかどうかの裏付け取りに専念しました。採用する技術の実効性を確認し終えたところで一気に突っ走るというプランでした。ですから、「そろそろプログラムを書かせてくださいよ」と意気込むリーダーたちを、「まあ、もう少し待て」となだめたことが忘れられません。

池田
最初からそんな作戦を立てていたとは知らなかった(笑)。私の方は当初、試作装置がうまく動かなくて困り果てました。大規模な装置だから、いろいろなグループが入れ代わり立ち代わり面倒を見る感じでね。でも、結果的にはそれがよかった。だんだんと各グループが協働するようになって、先が見えてきたんです。開発チームとしての一体感が生まれたのも、そのおかげでしょうね。
大木
私が担当した接続システムの開発でも、最初は混乱しました。このプロジェクトでは、開発初期段階から全社の精鋭部隊の協力が得られたのですが、詳細検討が進むにつれて、関係チームのリーダー間協議が微妙にズレていくんです。話せば話すほどズレが大きくなる(笑)。ベクトル合わせが重要で、悩んで苦しんだ時期がありました。
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それは、どうしてですか?
大木
今回開発した接続システムは、既存製品の「imagePRESS」※1にも「imagePROGRAF」※2にも共通して使えるソフトウェア構成を採用しています。ですから、開発時には二つの製品に詳しいソフト技術者もチームに参加していました。生半可な議論では満足できない精鋭のメンバーばかり(笑)。一つひとつの議論が、一気に細部まで突っ走るんです。そうすると、逆に意見や考えのズレがはっきりしてしまって、話がまとまらない。悶々としました。それで結局、基本設計を示すマスターピース図面を興して、社内関係者全員にOKしてもらったんです。その設計のため、会議室に鍵を掛けて朝から深夜まで数日閉じこもったんですよ。今、思い出すと懐かしい思い出です(笑)。
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大規模開発プロジェクトの出だしでは、いろんなことがあるようですね。
勅使川原
私が鮮明に覚えているのは、試作機で初めて印刷したときのことです。インクがなかなか吐出されず、ボロボロの印刷結果でしたが、ようやく1枚目が出たときにメンバー全員が歓声を上げ、デモを行った会場に割れんばかりの拍手が鳴り響いた――。あのときこそ、夢が形になる第一歩だった気がするんです。
  • ※1 imagePRESS
    ビジネス分野での多品種少量印刷などに適したキヤノンのデジタルプロダクションプリンター。
  • ※2 imagePROGRAF
    ポスター印刷やCAD出力などに適したキヤノンの大判インクジェットプリンター。

情熱込めて開発した新規製品に自信あり!

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そんなふうに四苦八苦して完成した新規製品がいよいよ世に出ます。どのような希望や願いがありますか?最後にみなさんの胸の内を聞かせてください。
山田
何といっても、フォトプリント業界や印刷業界のプロたちに画質のすばらしさを認めてもらいたいですね。こんなにきれいなフォトプリントがこんなに高速でできるんだと。そして、一般のユーザーがその美しさに気付き、感動してもらえたらと思います。
大木
私は、写真には「力」があると思うのです。1枚の写真が人を喜ばせたり、思い出を引き出して心をなごませたりする力。そして、ときには悲しい思い出ですが、それを乗り越えて勇気を湧き出させる力。そういう「力」がより一層宿るきれいな写真をDreamLaboが提供していってほしいですね。
池田
私もそう思う。これまでのフォトプリント業界での通常の画質に比べて、ワンランク上のものを提供できるわけですからね。
広沢
一般のユーザーからDreamLaboで記念アルバムをつくりたいと指名されるようになったら、最高でしょうね。アルバム制作に適した両面印刷機能を装備したかいがあるというものです。
渡邊
その通りですね。一般ユーザーの声を早く聞きたい。DreamLaboが業界スタンダードになる日が来ると信じています。
加茂
それには、用紙のタイプを今以上に増やす必要があると思っています。一般ユーザーの幅広いニーズへの対応を用紙でも実現していくのは、DreamLaboが業界スタンダードになる上では欠かせないですからね。
中尾
業界スタンダードになってほしいという期待とは別に、これまでにはなかったような写真商材での新ビジネスが誕生してくれたら、もっとうれしいですね。
勅使川原
それは十分にあり得ること。それだけの画質と機能を実現したと私は思っています。
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わかりました。DreamLaboには、未知の市場まで生み出せるポテンシャルがありそうですね。本日はありがとうございました。
写真:山田さん 広沢さん 大木さん 中尾さん 勅使川原さん 渡邊さん 池田さん 加茂さん

さいごに

業務用のインクジェットフォトプリンターの最高傑作を創り出そうと長い年月、大勢の開発者たちが心血を注ぎ、完成させた新ブランドDreamLaboは、「ラボ屋さん」にとって、文字通り「夢のマシン」になるのではないでしょうか。今回の開発に携わったみなさんの努力が市場で報われる日はすぐそこまで来ています。その日を待ち望んでいることが、みなさんの言葉の端々から感じられました。

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