産業用ロボットの三次元認識を実現 3Dマシンビジョン

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2014年4月、キヤノンは製造業の生産ラインにおける部品供給の自動化や高速化を図るため、部品の位置や姿勢を高速・高精度に三次元認識する3Dマシンビジョンシステム「RV1100」を発売。成長が見込まれる3Dマシンビジョン市場に参入しました。

3Dマシンビジョン「RV1100」

生産現場の課題を3Dマシンビジョンで解決

自動車メーカーでの使用例

パレットにバラ積みされたプレス部品をピッキングし、溶接工程へ供給

自動車や自動車部品の生産ラインなど、製造業に欠かせない存在であるロボット。このロボットにも苦手な作業があります。その一つが、パレットや部品箱の中にバラ積みされた部品を一つずつ取り出すピッキング作業です。
比較的大きな部品を扱う産業分野でよく見られる部品のバラ積みは、ロボットが作業しやすいように人が所定の位置に部品を配置し直す必要があり、工程の短縮や自動化のボトルネックになっていました。
この課題を解決するのが、キヤノンの3Dマシンビジョンシステムです。マシンビジョンとは産業用の画像センサーのことで、現在の主流は二次元認識のため、バラ積み部品などの位置や姿勢の認識が苦手でした。そこでキヤノンは、バラ積み部品のピックアップを高速・高精度で行える三次元認識機能を搭載した「RV1100」を開発。生産ラインにおいて、従来、人が行っていた部品供給工程の自動化を実現し、生産現場の新しい姿を提案しました。

3Dマシンビジョンシステムの動作フロー
  1. バラ積み部品に数種類のパターンを投影
  2. バラ積み部品の距離データを計測
  3. 事前学習した辞書と3DCADモデルを用いて部品の位置と姿勢を認識
  4. ほかの部品に当たることなくロボットハンドが把持可能か否かを判定
  5. ロボットコントローラーへデータを転送

導入はかんたん、生産性はアップ

「RV1100」の三次元認識は、認識用パターンを投影し、そのパターンが投影された部品の画像を解析します。複数種の投影パターンに対する部品画像の違いを解析することで、対象物の三次元認識を実現しています。
他社の3Dマシンビジョンでは、パターン投影するプロジェクター部と撮像センサー部の位置関係が重要となり、その調整が精度向上に欠かせないなど、設置の難しさが課題でした。キヤノンの3Dマシンビジョンはプロジェクターと撮像センサーを一体化させることで、難しい調整なしに導入が可能になりました。軽量、コンパクトサイズのため、生産ラインの変更や移動に伴う移設にも手間がかからないほか、防塵防水、メンテナンスフリーと設置後の取り扱いもかんたんです。

多様な部品を高速・高精度に三次元認識

不規則にバラ積みされている部品を「RV1100」が認識して、ロボットアームを制御するコントローラーに約2.5秒でデータを送信。部品供給がスピーディーに行える

認識精度の高さでも他社の追随を許しません。曲面を持つ部品や形状に特徴の少ない部品、複雑な形状の部品など、CADデータの入力と、バラ積みされた状態で部品の撮影を行うだけで、部品データをシステムに登録。さらに計測距離データだけでなく、濃淡画像も同時に利用してCADデータをマッチングする新方式により、さまざまな部品に対応するほか、部品の種類や形状の変更も複雑なプログラミングをすることなく、かんたんに登録し直せます。
「RV1100」は、3Dマシンビジョンヘッドと認識ソフトウエアを組み合わせて三次元認識を行い、制御データをロボットに送信します。制御データは世界の主要ロボットメーカーに対応可能で、既存設備への追加導入も柔軟に行えるほか、日本やEU/EFTA、米国、韓国、中国の法規制に準拠しているため、日本企業の海外展開にも対応できます。
現在、自動車業界だけでなく、電機、金属機器、樹脂・化学メーカーからも問い合わせがあり、受注に向けた取り組みを展開中です。今後は、小さな部品やより大きな部品への対応を課題として、さらに製品の改良に努め、3Dマシンビジョン市場の牽引役として積極的に製品開発を進めます。

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