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品質技術

キヤノンブランドの信頼の礎となる品質の維持・向上のためにキヤノンは、評価技術、シミュレーション技術、解析技術を駆使してきました。品質至上主義の徹底が、日々進化する製品を支えています。

キヤノンは「世界一の製品をつくり、最高の品質とサービスを提供し、世界の文化の向上に貢献すること」を企業目的の1つとして掲げ、その実現のために、

  1. お客様のニーズを見極め、最新の技術を利用し、高品質で優れた製品と迅速なサービスを提供すること。
  2. 製品やサービスの不具合により消費者の身体や財産を損なうことのないよう万全を期すこと。

に努め、品質向上に取り組んでいます。

そして、「Canon Quality それはお客様の安全・安心・満足」という品質メッセージを掲げ、お客様に「安全」で「安心・満足」いただける製品やサービスを提供するために、製品の企画・開発から生産、販売・サービスに至るすべての段階において徹底した品質活動に取り組んでいます。

[Canon Quality お客様の安全・安心・満足]

安全(Safety):「壊れない、怪我をしない、不具合がない」
安心(Smartness):「使いやすい、デザインがいい、信頼できる」
満足(Satisfaction):「良かった、素晴らしい、これからもずっと使い続けたい」

イラスト:Canon QualityマークCanon Qualityマーク

玉川事業所“総合測定試験棟”
製品の品質向上に貢献する“品質のモノサシ拠点”

キヤノンは、品質評価・実験の拠点とするために、玉川事業所に「総合測定試験棟」を建設しました。この試験棟は、製品から放射する電波を評価する「電波暗室」、静電気放電や雷サージなどで製品に誤動作が生じないことを確認する「シールドルーム」、製品の動作音や音響性能を評価する「半無響室」「音響実験室」、製品や部品に使用しているプラスチックの難燃性試験を実施する「安全性検証室」などを備えています。
特に、ISO/IEC 17025にもとづく認定試験所の資格を有する電波暗室や半無響室では、VCCI、EN55022、FCC Part15などにもとづく法規制への適合性確認に必要なEMCの認定試験、ISO 7779などにもとづく環境マーク取得に必要な騒音試験が可能です。また、全ての電波暗室が、2011年から本格的に規制が始まるGHz超の周波数の電波を測定するEMI試験にも対応していることに加え、一部の電波暗室では、業務用フォトプリンターDreamLaboのような大型製品に対するGHz超の電波測定も可能となりました。
総合測定試験棟ができたことで、キヤノンはEMCの認定試験や騒音試験、そして、UL60950-1 A1、A2などにもとづくプラスチックの難燃性試験などの第三者認定試験を社内で完結できるようになり、セキュリティの確保と同時に、試験期間の大幅な短縮が実現しました。
業界トップクラスの試験設備を駆使したさまざまな測定を実施することで、キヤノンは設計の段階から安全性の確認、公的規制への適合性の評価、安全な部品や材料の選定を行なえるようになりました。このように総合測定試験棟は、キヤノン製品のさらなる品質向上に貢献しています。

写真:製品から出る放射電波の測定(電波暗室)製品から出る放射電波の測定(電波暗室)

写真:製品の稼働音の測定(半無響室)製品の稼働音の測定(半無響室)

人間・生理計測評価技術

快適性や使いやすさを評価

キヤノンでは製品評価技術の1つとして、人間の生理的な反応を測定し、評価する技術の確立を進めています。人間の視覚・触覚・嗅覚・聴覚による感覚は、脳波や筋電位、血流・汗・視線などの生理的な反応を測定することによりデータ化できます。これらの生理計測データと「重い」「軽い」などの主観的な評価を組み合わせてより付加価値の高い製品評価を行うのが、人間・生理計測評価技術です。
例えば、製品の持ち運びや操作時の筋力負荷・関節負荷のシミュレーションや筋電位の計測を行い、主観評価と組み合わせて作業負荷を評価し、人への負担がより少ない製品づくりに活かしています。これまで、大判インクジェットプリンターのロール紙のセットやインクジェットプリンターの開梱、複写機ユニットの本体への装着などの評価にこの技術を活用し、ユーザーの負荷の軽減につなげています。
キヤノンはこれら作業負荷のほかに、映像負荷、精神的なストレスの評価データを蓄積して、「人に優しい」製品を開発していきます。

写真:複合機給紙カセット操作時の身体負荷測定複合機給紙カセット操作時の身体負荷測定

化学物質安全性評価技術

製品使用時の環境保全に貢献

製品使用時に排出されるVOCs (揮発性有機化合物)、粉じん、オゾン、微粒子などの化学物質はケミカルエミッションといわれ、環境保全のために低減しなくてはなりません。キヤノンはこれら化学物質の測定を2000年から本格的に開始し、測定したデータを製品開発に活用しています。最近では微粒子の放散に注目して、さまざまな測定装置を導入。この分野において、業界トップクラスの測定処理能力を維持しています。
また、2005年にケミカルエミッション測定試験所として、「ISO/IEC 17025」と「ドイツエコラベル認定試験所」の認定を業界でも早くから取得し、現在も測定データの信頼性向上に努めています。これらの認定に基づく測定技術により、多くのキヤノン製品はドイツの「ブルーエンジェル」などのエコラベル※1を取得しています。
さらに、キヤノンは事務機から発生するケミカルエミッションの採取方法および分析方法の標準化にも積極的に取り組み、JIS規格やISO規格の作成にも貢献しています。微粒子についても同様に取り組み、2010年にECMA-328 5th edition※2の改定に寄与しました。

写真:微粒子測定装置微粒子測定装置

  • ※1 エコラベル
    商品が環境に配慮したものであることを示すラベル。エコラベルつきの商品は、そのラベル制度の認定基準に達している。ドイツの「ブルーエンジェル」は世界で初めて制定されたエコラベルで、厳格な認定基準をもつ。
  • ※2 ECMA-328
    欧州電子計算機工業会を前身とする情報システムの分野における国際的な標準化団体が作成する測定規格の一つ。電子機器からのケミカルエミッションの測定方法を規定している。ECMA規格は、ISO規格と関係が深い。

LSI 故障解析技術

電子部品の品質信頼性を保証

製品の品質を確保するためには、その構成部品1つ1つの品質信頼性の確保が重要です。キヤノンでは、製品に搭載されるLSI などの電子部品に対して独自の部品認定制度を運用、電子部品評価・解析技術を駆使しながら品質信頼性の確認を行っています。
LSI の故障解析には、「IR-OBIRCH法※3」という技術が普及しています。異常電流があるLSI にレーザー光を走査すると、照射箇所は温度が上昇します。加熱された箇所では抵抗値が変化するため、電流の変化量を光学観察像と重ねて表示することで故障箇所を可視化できます。
使用される赤外レーザー光はシリコン(Si)のバンドギャップ※4より長く、LSI のSi基板を透過するため、配線層のない裏面からの解析も可能です。配線層が多層あるLSI は、表面からの解析だけでは金属膜配線がレーザー光の侵入を阻害し、故障個所の検出が困難な場合もありますが、裏面からの解析により、故障の原因となる超微細な欠陥の検出が可能です。この手法はLSI だけでなく、そのほかの電子部品の解析にも応用されています。
キヤノンでは、製造工程や市場で発生する故障品の原因を究明、部品メーカーにフィードバックすることで、信頼性の高い部品の確保に役立てています。

イラスト:LSI の同一故障箇所を表面と裏面から解析した様子LSI の同一故障箇所を表面と裏面から解析した様子

  • ※3 OBIRCH法(Optical Beam Induced Resistance CHange:オバーク)
    光ビーム照射加熱抵抗変化検出法。光ビームに赤外光(Infra Red)を利用するものをIR-OBIRCH法という。
  • ※4 バンドギャップ
    禁止帯。電子が存在できない領域の事。シリコンの場合、約1100nm。

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