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ホーム > 技術のご紹介 > R&Dトピックス > すばる望遠鏡主焦点補正光学系

宇宙探索に光るキヤノンの光学技術 すばる望遠鏡主焦点補正光学系

ハワイ島マウナケア山頂に設置されている「すばる望遠鏡」。日夜、宇宙誕生の秘密を探るこの光学赤外線望遠鏡に、キヤノンの光学技術・精密技術が活かされています。

宇宙の新発見をサポートするキヤノンの技術

ハワイ島マウナケア山頂には、日本の国立天文台が運用する大型望遠鏡「すばる」が設置されています。すばる望遠鏡の最大の特長は、口径8m級の望遠鏡のなかで唯一、「主焦点カメラ」を備えていることです。この主焦点カメラのレンズユニットは、キヤノンが開発したものです。補正光学系による優れた結像性能により、地球から約128億8,000万光年もはるか遠くに離れた銀河(IOK-1)も発見するなど、次々とめざましい成果をあげています。
すばる望遠鏡の主焦点は、月の直径とほぼ同じ0.5度角の広い視野を観測することができ、カセグレン焦点(視野角0.1度角)に比べて、見える範囲は25倍もの広さになります。キヤノンが制作した主焦点のレンズユニットは、大型レンズ5群7枚で構成されており、レンズ口径は520mm、総重量は170kgと、キヤノン最大のレンズユニットながら、これまでにない小型化・軽量化により主焦点カメラを実現させました。
さらにこのレンズユニットは、「大気分散現象」※1を高い精度で補正します。これはキヤノン独自のシステムで、分散特性の異なる材料を使った2枚のレンズを光軸に直角にシフトさせ、大気分散を補正するというものです。

  • ※1 大気分散現象
    星の光が大気圏に入射する際、波長による大気の屈折率の違いから星の像がにじんで見える現象。

未知なる宇宙の探索に貢献するキヤノンの技術

宇宙の約23%を占める未知のダークマターは宇宙の起源を決め、約73%を占める未知のダークエネルギーは宇宙の未来を決定すると考えられています。そして、これら未知のものの正体を解明することが、天文学および物理学上の大きな課題になっています。
国立天文台では、東京大学数物連携宇宙研究機構と協力して、ダークマターおよびダークエネルギーの正体を究明する計画を進めています。この計画は、すばる望遠鏡に視野角を現在の0.5度角から1.5度角に拡大した新しい主焦点カメラを設置し、遠方の暗い銀河まで含めた多数の銀河を短時間に観測して銀河の形を精密に測定、さらに「重力レンズ」※2の効果を利用することでダークマターの3次元地図を作成して、ダークマターおよびダークエネルギーの正体を究明しようとするものです。
キヤノンでは現在、この計画の実現に貢献するために、視野角1.5度を得る新しい主焦点カメラの補正光学系の開発に取り組んでいます。この光学系には、半導体露光装置の光学系開発で長年培われた技術やノウハウを結集した「非球面超平滑研磨技術」や、レンズ口径が大きくなるほど難しくなるといわれる「非球面形状計測」といった、キヤノンならではの高度な加工・計測技術が活かされた、直径850mmを超える7枚構成の大口径・高精度非球面レンズが搭載されます。

イラスト:すばる望遠鏡の全体構造すばる望遠鏡の全体構造

  • ※2 重力レンズ
    恒星や銀河などの天体から発生される光が、経路の途中にある天体の重力によって曲げられ、形がゆがんで観測されたり、複数の像ができる現象。

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