選手紹介 - Skaters -

デニス・テン※2017/3/23更新

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今季のプログラム

スポーツライター 野口美恵's EYE

ISU 世界フィギュアスケート選手権 2017

母国カザフスタンの唯一のトップ選手として、ファンの期待を一新に背負ってきたデニス・テン。調子の波やケガがある選手のため、コンスタントには成績を出していませんが、平昌五輪に向けて虎視眈々とトップグループ入りを狙っている存在です。

今季のテンの一番の話題といえば、コーチをフランク・キャロルからニコライ・モロゾフに変更したことでしょう。
テンはロシアでスケートを始め、幼少期はタチアナ・タラソワのもとで優雅な“ロシアンスタイル”の演技を身につけました。細やかな上半身のこなしや、端正なオーラをまとう滑りは、ジュニア時代から際立っていました。その後、2010−2011シーズンからは拠点をロサンゼルスに移し、米国の巨匠キャロルのもとで練習を積んできました。キャロルは、スケーティングを重視し、正しい滑りと、基礎に忠実なジャンプを徹底するコーチです。ここで“北米スタイル”の滑りを身につけてきたのです。

このロシアと北米の良さをうまく取り入れたデニスは、ソチ五輪の銅メダルと、2013年2015年の世界選手権でそれぞれ銀・銅のメダルを獲得。世界トップグループの1人として存在感を示してきました。しかしここ数年のケガや不調もあり、今季からモロゾフに師事。モロゾフは『選手の長所を最大限に活かす』というモットーのもと、選手のかくれた才能を引き出すことに長けたコーチです。荒川静香、髙橋大輔、安藤美姫らの才能のブラッシュアップを手がけたことでも知られています。

そんなモロゾフのもと、今季のテンは新たな魅力を模索中。ショートの『ロミオとジュリエット』は、テクノアレンジの難しいバージョンで、優雅なスタイルから脱し、乗りの良さを見せる一曲に仕上がりました。
またフリーの『トスカ』は、激しく壮大なメロディに乗って、しゃがんだり跳ねたりと、上下への空間利用が派手なパフォーマンスを見せてくれます。これまでのデニスとはひと味違うエネルギーの詰まったプログラムと言えるでしょう。

ケガの影響もあり、ショートもフリーも4回転はトウループ1本のみ。昨季からの男子の“4回転インフレ”に追い付くには相当の努力が必要です。しかし持ち前の4回転トウループの美しさや滑りの良さは健在で、ここにモロゾフによる新しいエッセンスが加わることでどう覚醒できるのか。一皮剥けたとき、再び世界の表彰台を踏みしめることができるでしょう。

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