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マリア・ソツコワ※2016/12/5更新

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スポーツライター 野口美恵's EYE

ISU グランプリファイナル 2016

次々と頭角を現すロシア女子のなかで、今季もっとも急成長をみせているのが、マリア・ソツコワでしょう。ジュニア時代は、スランプや怪我などに苦しみましたが、シニアに上がった今季、フランス杯2位、NHK杯3位となり、ファイナル進出を果たしました。

ソツコワが頭角を現したのは13歳の時。ジュニアに上がったシーズンに、ジュニアGPファイナルで優勝し、ロシア女子の次世代エース争いのなかで名前が挙がりました。ところがシーズン後半は、膝の怪我により休養。そのあいだに身長がどんどん伸び、14歳で初出場となった2015年世界ジュニア選手権では5位と、スランプに陥ります。

15歳となった昨季は、層の厚いシニアに上がるよりも世界ジュニアでの表彰台を目指してジュニアに残りました。しかし国内から、ポリーナ・ツルスカヤ(当時14歳)、アリサ・フェデチキナ(当時13歳)といった若手が台頭。ロシアでのジュニアトップの地位を築けないまま、世界ジュニア選手権への出場を決めました。

すると世界ジュニアでは、ツルスカヤは試合前にケガ、ショート首位だったフェデチキナがフリー直前にケガをして、それぞれが棄権するという異常事態が続きました。ロシア女子1人となった重責を背負いながら、実力を発揮したソツコワは、見事に銀メダルを獲得。波のあったジュニア時代を力強く締めくくりました。

このハプニングへの対応力が、精神力に繋がったのでしょうか。今季、シニアに上がったソツコワは、まるで別人のように安定感が増しました。身長170㎝と、トップ女子選手のなかでは最も背が高いソツコワですが、身体の細さを活かして、ジャンプに重みを感じさせません。むしろ長い足のリーチを活かして、トウループやフリップ、ルッツといったトウ系のジャンプでは、ダイナミックな飛躍を見せています。

ジャンプの組み合わせも、基礎点の高いものを揃えています。「3回転+3回転」の連続ジャンプのなかでも得点が高い「3回転ルッツ+3回転トウループ」と「3回転フリップ+半回転ループ+3回転サルコウ」の2つをフリーに組み込んでおり、トップを本気で狙っている姿勢が、この構成に溢れ出ているといえるでしょう。

今季はショートがシュニトケの『Butterflies Are Free』、フリーは同じくシュニトケの『アダージョ』です。どちらも美しく情緒的なメロディで、スケーティングそのものに魅力がないと滑りこなすのが難しいプログラム。ソツコワはスラリとのびるフリーレッグと、緩やかにカーブした身体のラインを上手にアピールすることで、優雅な世界観を作り出すことに成功しています。

これからどんな方向にでも伸びていける、伸びしろの大きな選手です。今季はまず、気品漂うソツコワの滑りを堪能しましょう。

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