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アダム・リッポン※2016/12/5更新

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今季のプログラム

スポーツライター 野口美恵's EYE

ISU グランプリファイナル 2016

今季は彼にとって新たな方向性を見出すシーズンとなっています。

今や男子の戦いに必須となっている4回転ジャンプですが、リッポンはその種類を4回転ルッツにこだわり挑戦を続けてきました。彼は、3回転ルッツで両手を挙げて跳び、しかもほぼ100%の成功率というほどに得意なことから、4回転のなかでも難度の高い4回転ルッツを取り入れていたのです。

しかし練習では成功していても、本番になると転倒や回転不足が続き、得点源とはなっていませんでした。そこで今季は、最もスタンダードな4回転である4回転トウループに変更。GPシリーズ初戦のアメリカ杯では転倒してしまいましたが、見事にフランス杯で成功させました。

しかも2本のトリプルアクセルを含むパーフェクトな演技で、フリーの自己ベスト更新となる182.28点をマーク。総合3位となり、シニア9年目にして初となるGPファイナルへの切符を掴みました。

ここまでのリッポンの歩みを見てきたファンからすると、感慨深い4回転トウループ、そして今季の活躍と言えるでしょう。2008年に世界ジュニアで優勝し将来を嘱望されてから、ここまで長い道のりでした。

2008年末にはコーチをブライアン・オーサーに変更すると、史上初となる世界ジュニア連覇を達成。その後スランプに陥り、佐藤有香のチームに移ります。さらに、浅田真央を指導したこともあるラファエル・アルトゥニアンの元へ。そして2016年1月、全米選手権8回目の挑戦にして初優勝を遂げました。

今季は今まで以上に何事にもポジティブに取り組んでいるリッポン。音楽性に富んだ表現力にもいっそう磨きがかかっています。ショートでは、男子の衣装規定の緩和を受けて、ノースリーブの衣装に挑戦するなど、先駆者的な取り組みも行っています。

「今は熾烈な4回転競争時代を迎えている。僕たちのように4回転は1本くらいしかなくても表現力で世界を開拓しようとしている選手にとっては、何か違う部分でオリジナリティを出したり、新しいことに挑戦して見せるしかない」とアメリカ杯で熱く語っていました。

今季はジャンプも表現面も、脂が乗っているリッポン。4回転は1本だとしてもきっちり決めれば、芸術的な演技が強みになります。この4回転激戦時代だからこそ、彼のようなアーティストが放つ独特の輝きに注目しましょう。

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