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マックス・アーロン※2016/3/24更新

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スポーツライター 野口美恵's EYE

ISU 世界フィギュアスケート選手権 2016

ここ2年、なかなかスコアの延ばせないシーズンが続いてきたマックス・アーロンですが、24歳となった今季、ベテランの滑りとともに魅力ある演技を見せてくれています。

彼を全米代表の選手として持ち上げたのは、なんといっても4回転サルコウの技術に他なりません。スピード感、飛距離、キレ味。どれをとっても最高の質の4回転サルコウなのです。

まだGPシリーズにエントリーされてもいなかった2012−2013シーズン、彼はいきなり全米選手権で4回転サルコウをショートで1本、フリーで2本成功させ、優勝。スターダムへと駆け上がりました。

しかし、さらなる飛躍を遂げるのは簡単ではありませんでした。アーロンは、あまりにもスピードがあり、パワーも溢れすぎていたのです。男子として大切な魅力ですが、芸術とスポーツの両面をもつフィギュアスケートにとっては、無骨すぎるパワーだけでは勝つことができないのです。優れたジャンプ力を持つ一方で、滑りの基礎技術という課題を抱えました。

基礎の滑りを見直し、演技構成点を上げるために振付師も次々と変更しながら、新たな魅力を模索すること2年。とうとう昨季の終わりに、振付師フィリップ・ミルズとの出会いで、覚醒への手がかりを掴みました。

フィリップ・ミルズは、町田樹をソチ五輪シーズンの飛躍へと導いた振付師として日本では知られているでしょう。ショートの『エデンの東』、フリーの『火の鳥』の個性的かつ情熱的な演技は、ミルズの振り付けなくして有り得ませんでした。

ミルズがアーロンに託したプログラムも、やはり新たな魅力を引き出すものでした。ショートは『トゥーランドット』、フリーは『ブラック・スワン』。『トゥーランドット』は黒いパンツに白いシャツ、『ブラック・スワン』は全身黒の上下と、飾り気のない衣装に徹します。この飾り気のなさが、アーロンの全身の筋肉美を強調。ここ2年「パワフルさを消す」という方向性で芸術を探ってきましたが、むしろ「筋肉を美しく見せる」という吹っ切れた表現に持っていったのです。

アーロンの滑りは、決して凝ったつなぎや、難しい小技を詰め込んだものではありません。しかし、しっかりと音楽を捉えたリズム感と、常に伸縮を感じさせる筋肉の動きだけでも、十分にアートといえる演技を確立しました。

4回転サルコウの魅力を失うことなく、そしてパワフルさも残しつつ、芸術の領域へと一歩進んだアーロン。世界選手権でも、彼らしい演技を見せてくれることを期待しましょう。

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