インタビュー

インタビュー - 髙橋 大輔

8年にわたり日本を背負ってきたエース髙橋大輔にとって、今季は歯がゆいシーズンだった。グランプリファイナルで優勝し好調だったシーズン前半から一転、後半戦は四大陸選手権7位、世界選手権6位と、不完全燃焼。今季の戦い、そしてラストシーズンへの素直な気持ちを語った。
「世界選手権は後悔はしてない」
thumb

——世界選手権は残念でしたね。ピーキング(調整)の失敗でしょうか?

ピーキングに関しては、カナダへの出発前はかなり練習で追い込んでいましたし、会場に入ったらまあ上がるだろうと思っていたんです。でも4回転ジャンプだけなぜか降りられなくて、他のジャンプは調子悪くなかったのに4回転にメンタルを持っていかれて、自分から調子を崩してしまった感じでした。

——今季は4回転に3本挑戦する所まで上がっていたのに、難しいものですね。

(世界選手権以外の)試合の公式練習では、何本か決まる所までいきました。でも世界選手権では1本だけ・・・。今になって思えば、全体の練習量はすごくやっていたけれど、プログラム前半に4回転2本入れる練習が足りなかったのかも。後半の体力が無くなる部分の練習は詰めていたけど。もちろん練習していた時はベストだと思っていて、今思えばの話ですよ。

——四大陸選手権後の練習量がかなり凄かったと聞きましたが、疲れが出たとか?

量的に密度の濃い感じの練習でした。でも全然疲れてなくて、気持ちも身体も“Ready”で、練習していたから自分でもどこまで出来るか楽しみと思ってたくらいでした。

——技術よりも精神の問題だったのでしょうね。

4回転を跳べる時って、跳べる気がするんですよ。でも今回の(ミスの)原因が物理的なのか精神的なのか、ゆっくり考えたいです。ビデオを見返してフォームを確認するのも必要かもしれない。自分でも分からないうちにタイミングが狂っていることもありますからね。練習やりすぎて、自分の中でハマって抜け出せなくなる。

——たしかに練習しすぎて迷路に入る時もありますよね。

そう。でも練習せずに試合に臨んだわけではないので後悔はしてないです。自分に歯がゆいだけ。もうオレはダメだ、というヘコみではなくて、やってきた事を出せなかった事実にヘコんでいます。

——どちらかというと本番で奇跡を起こすタイプですもんね。

フリーの方は集中するのが早過ぎて疲れた面がありました。ウォーミングアップした後、本番の集中に持っていくタイミングがちょっとだけ早かったんです。そしたら本番で、いつもより注意散漫になって落ち着いていない自分に、自分で気づいてしまって。身体の仕上がりは良いのに、頭が疲れている感じでした。本番の持って行き方は、慣れないもんですね。

「自分に期待をしてしまった」シーズン
thumb

——勝敗とかも考えてしまうとダメですか?

欲が出ちゃうとダメですね。今季は、知らないうちに勝敗を気にしていました。世界選手権の場合は枠がかかっていたから特に(ショートの4位から)もう落ちれないって考えてしまった。そこかな。メダルは厳しいかも、というのが僕の中にあったので、4位からとにかく下がらないようにって思っていました。

——無我夢中だった昨シーズンとは違いますね。

確かに昨シーズンは、どこまで行けるか分からなくて、技術的には自分はまだボロボロな中で世界選手権で4回転ジャンプが1本決まった、という感じ。でも今シーズンは自分への期待がありましたね。

——今回は1本決まっても不完全燃焼なんですから、それだけ欲があったということ?

そうですね。自分に期待するスタートのレベルが上がっていて、そこからの勝負をしているから、昨シーズンとちょっと違う気持ちでした。去年は自分にそこまで期待していなかったのが、今は自分自身で期待している。いつのまにか、あれも出来る、これも、と出来て当たり前のことが増えていました。でも五輪シーズンになったら、もっと欲が出てくるから、こういう気持ちを経験しておかないといけなかったんです。

——その上り調子の中で、今回の世界選手権は膿出しになったのかも?

そういう形になってしまうのかな。でも次のシーズンが良ければ膿出しだけど、次が悪かったら、膿でも何でもないですよね。だから次のシーズン次第!

——来季への意欲になりました?

もともとソチ五輪を目標に3年期間でやっているので、いい喝が入った感じです。来季、自分がどこに気持ちを持っていって、どういうスタンスでやればいいのかを、もう一回考え直して、再スタートしたいです。

To The Page Top