フィギュアスケートを100倍楽しく見る方法 - Ways to Enjoy Watching Figure Skating -

ジャンプ・スピン 動画解説~ジャンプ編~

太田由希奈によるスピンの基本紹介

“氷上の華”といえる艶やかな技が、氷の上でクルクルと回るスピンです。スピンの姿勢は大きく分けて4種類あります。「アップライト」「シット」「キャメル」の3つの基本姿勢に、アップライトを応用した「レイバック」を加えた4つの姿勢が、試合でのスピン要素として分類されています。スピンの種類や難しさを知ることで、美しさとパワーが共存するスピンの美学の世界に触れてみましょう。

監修・野口美恵(スポーツライター)
※2016/12/8更新

スピンを徹底解剖 スペシャルムービー

カテゴリー別スピン

  • フライングエントランス

  • 脚換え

  • コンビネーション

スピンの種類と特徴

種類 特徴
アップライト系 回転している脚の膝を曲げずに、立って行うスピン。左脚で行う「スタンドスピン」「クロススピン」、右脚で行う「バックスクラッチ」「トンプソン」など。プログラムの最後にバックスクラッチで高速回転し、盛り上げる場合がある。
シット系 お尻が膝より下になるまでしゃがんだ姿勢。お尻が上がってしまうと認定されない。「キャノンボール」「パンケーキ」「ブロークン」など様々な難度姿勢がある。
キャメル系 上半身を前に倒し、フリーレッグが腰よりも高い位置に上がった姿勢。頭から足先まで、ピンと伸びた状態が美しい。「上向き」「ドーナツ」「キャッチフット」などバランスを保つのが難しい難度姿勢が多い。
レイバック系 股関節、腰、背中が大きく弓なりに反った姿勢。アップライト系の1種だが、採点上は別の技術要素として扱われる。女子のショートでは必須要素で、艶やかさの象徴とも言われる。
スピンの豆知識

【スピンはなぜ回るの?】 スピンを見ていて誰もが抱く興味は「なぜこんなに回るのか?」ということでしょう。スピンの回転のヒミツは物理学の「角運動量保存の法則」で説明できます。まず円の上を滑走し、かたつむりの渦巻きのように中心点に向かってだんだん小さな円に入っていきます。大きな円から小さな円に入ることで、回転の半径が小さくなり、「角速度」が上がるのです。さらに伸ばしている腕やフリーレッグを身体に引き寄せると、回転速度が上がります。 この「角運動量保存の法則」により、回転の半径が小さいほど角速度が速くなります。つまり、アップライトスピンは最も高速で行うことができますが、反対にキャメルスピンは速く回ることがとても難しい技です。

【右脚スピンと左脚スピン】 スピンは回転しているため、一見分かりにくいのですが、右脚と左脚の両パターンがあります。アップライトの場合は、右脚は「バックスクラッチ」、左脚を「クラッチスピン」と呼び分けていますが、シット・キャメル・レイバックでは同じ呼び名のまま左右のスピンが存在します。スピン中に回転している脚を踏み換えるのが「脚換え」という技で、採点表記も「脚換えスピン」となり、得点が上がります。

【フリーレッグ】 フィギュアスケートの解説でよく使われるのが「フリーレッグ」という言葉です。フリーレッグは氷についてない方の脚のことです。フリーレッグをピンと伸ばしたり、持ち上げたりすることで、様々な姿勢のバリエーションが生まれます。ちなみにフリーレッグに対して、氷に乗っている方の脚は「スケーティングレッグ」と呼びます。滑っていても、スピンをしていても、ターンをしていても、「スケーティングレッグ」です。

スケーター紹介

太田 由希奈 写真

太田 由希奈/Yukina OTA

指先まで神経の行き届いた表現力、所作の美しさから「氷上のバレリーナ」と称される日本を代表する元フイギュアスケート選手。特にスピンとスパイラルの美しさは海外でも非常に高い評価を受ける。2003年世界ジュニア選手権優勝、2004年四大陸選手権優勝、2008年に引退。現在はプロスケーターとして活躍するほか、コーチ・振付師・テレビ解説者としても活動中。

撮影機材紹介

撮影機材紹介 写真

「スペシャルムービー」は、映画やTVドラマ、CM制作など、ハイエンドな映像制作のために開発されたCINEMA EOS SYSTEM 『EOS C300 Mark II』で撮影されました。

フィギュアスケートを100倍楽しく見る方法一覧へ