キヤノン株式会社 CSR活動 労働と人権雇用と処遇

従業員が高いモチベーションをもって働くことができる、魅力的な職場環境づくりをめざしています。

人事基本方針

キヤノンは、「真のグローバルエクセレントカンパニー」となるためには、従業員一人ひとりが「エクセレントパーソン」であることが必要と考えています。
こうした認識のもと、向上心・責任感・使命感を尊重する「人間尊重主義」や「実力主義」にもとづく公平・公正な人事評価を徹底するなど、「進取の気性」が発揮される企業風土の醸成を図るとともに、次代を担う人材育成に注力しています。

行動指針と「三自の精神」

キヤノンの「行動指針」は、創業期から掲げる「三自の精神」を原点としています。「三自」とは、「自発」「自治」「自覚」を指し、何ごとも自ら進んで積極的に行い(自発)、自分自身を管理し(自治)、自分が置かれている立場・役割・状況をよく認識する(自覚)姿勢を意味します。
キヤノンは、この三自の精神をもって、前向きに仕事に取り組むことをグループの全従業員に求め、全世界のグループ会社で浸透を図っています。

行動指針

三自の精神
自発・自治・自覚の精神をもって進む
実力主義
常に、行動力(V : バイタリティ)・専門性(S : スペシャリティ)・創造力(O : オリジナリティ)・個性(P : パーソナリティ)を追求する
国際人主義
異文化を理解し、誠実かつ行動的な国際人を目指す
新家族主義
互いに信頼と理解を深め、和の精神をつらぬく
健康第一主義
健康と明朗をモットーとし、人格の涵養につとめる

人材の獲得と定着

キヤノンは、持続的な成長のために、ビジネスのグローバリゼーションとイノベーションを推し進める優秀な人材の獲得と定着を図っています。そのため、採用、配属、育成の施策を一貫した方針のもと連携させています。
また、従業員一人ひとりが、長期にわたって高いモチベーションを維持し、十分に能力を発揮していけるよう、従業員の就業継続をサポートする各種制度の充実を図っています。なお、キヤノン(株)の定着率は業界のなかでは比較的高い水準となっており、2015年の離職率は1.1%にとどまりました。

公平・公正な報酬制度

役割と成果に応じた賃金制度

キヤノン(株)は、年齢や性別にとらわれない、公平・公正な人事・処遇を実現するため、仕事の役割と成果に応じて報酬を決定する「役割給制度」を導入しています。
役割給制度とは、仕事の難易度などにもとづく役割等級によって基本給を定め、1年間の業績やプロセス・行動を評価して年収を決定する制度です。また、賞与には、個人の業績だけでなく、会社業績が反映されます。
なお、同制度は国内外のグループ全体にも展開し、すでに国内の大部分のグループ会社とアジアの生産会社に導入済みです。また、キヤノンUSAやキヤノンヨーロッパなど欧米のグループ会社でも、従来から仕事の役割と成果にもとづく賃金制度を導入しています。
給与の昇給額・昇給率、賞与の原資・支給額などについては、キヤノン労働組合と年4回開催する委員会において、労使で定めたルールにのっとって支給されていることを確認し、その議事録を従業員全員に公開しています。また、賃金制度の運用や改善についても同委員会において労使で議論しています。

福利厚生の充実

キヤノンの国内グループ会社では、入社から退職後に至るまで、すべてのライフステージにおいて、社員が安心して生活を営めるよう、各種の福利厚生制度を整備しています。
コミュニケーションの活性化を目的としたクラブ活動や補助金制度、さらには体育館・食堂などの福利厚生施設も整備しています。このほか、各地域の文化や風習を生かしたイベントや、社員の家族も参加できる催しなども開催しています。
また、将来を見据えた保障として、国の社会保障制度に加えて、社員を対象とした企業年金や共済会、健保組合による付加給付などの制度、さらには個人の意思で加入する社員持株会や財形貯蓄、グループ生命保険などを用意しています。

企業年金制度

キヤノン(株)では、公的年金を補完し、より豊かな老後生活に寄与することを目的に、在職中の貢献度を反映した功績報酬として確定給付型の企業年金制度「キヤノン企業年金」を運用しています。制度運用は会社による基金積立金によってまかなわれており、社員による拠出金の負担はありません。なお、そのほかの国内グループ会社においても独自に企業年金制度を運用しています。
また、あわせて確定拠出年金制度も運用しており、充実した保障を実現しています。

柔軟な働き方の提供

キヤノン(株)は、業務の生産性向上を進め、1967年に完全週休二日制を導入するなど、日本企業のなかでも早くから労働時間短縮を実現してきました。
2005年には、厚生労働省の指針にのっとり、アクションプラン(行動計画)を策定し、これにもとづき仕事と家庭の両立支援や次世代育成支援に取り組んでいます。
2015年4月からは、2018年3月までの3年間にわたる第五期行動計画を下表の通り開始しています。

第五期行動計画(2015年4月~2018年3月)

行動計画 対策 2015年末現在での実績
(1) 仕事と家庭の両立支援制度の利用率向上をめざし、制度の利用を促進する
  • 定期的に両立支援制度利用者の実績確認を行い、VIVID※1と働き方改革推進委員会が連携し、2018年3月までに具体的な施策を検討、実施する
  • 制度の利用実績は、従来から利用率が高い女性に加えて、男性も増加傾向にあることを確認
(2) 働き方改革を社会の文化とすべく、時間外労働削減および有給休暇取得を促進する取り組みを継続し、総実労働時間を適正レベルに保つ
  • 総実労働時間をワーク・ライフ・バランスの一つの指標とし、2015年は見える化することで全社への浸透を図り、2016年以降は具体的な施策を検討、実施する
  • 年間を通して、原則として時間外労働を禁止
  • 7月から9月をワーク・ライフ・バランス推進期間として就業時間の前倒しを実施し、継続して働き方改革を推進。前倒し期間中には従業員が自己啓発などを行える福利厚生プログラムを提供
  • 生産性の向上やワーク・ライフ・バランスの推進により、年間の総実労働時間は、全社で2010年※2比約37時間減
(3) 次世代を担う子どもが参加できる地域貢献活動を実施する
  • 2015年4月から2018年3月まで継続して、地域やコミュニティなどへ働きかけを行い、貢献活動を実施する
  • 次世代を担う子どもが参加できる地域貢献活動として、以下のような取り組みを全国で継続的に実施
    (1)レンズ工作教室、環境出前授業など、子どもたちの学習を応援する独自プログラム
    (2)キヤノン ジュニアフォトグラファーズ写真教室
    (3)女子サッカー支援(キヤノン ガールズ・エイト)
    (4)タグラグビー教室・ラグビー教室など
    (5)陸上教室

総実労働時間の削減

キヤノンは各国の法律にもとづき適正な労働時間の維持に取り組んでいます。
例えば、キヤノン(株)では、総実労働時間の削減に向けて、原則として時間外労働を禁止し、働き方の見直しを推進しています。こうした活動に加え、有給休暇の取得促進などを行った結果、2015年の一人当たりの総実労働時間は、約1,762時間となり、総実労働時間削減に向けた活動を開始した2010年(1,799時間)と比べて約37時間削減しました。
今後も「総実労働時間1,800時間以内」の継続を目標として、取り組みを続けていきます。

社員一人当たりの年間総実労働時間の推移[キヤノン(株)](時間)

  2011 2012 2013 2014 2015
総実労働時間 1,768 1,744 1,740 1,751 1,762

仕事と育児の両立支援

ポピンズナーサリースクール多摩川ポピンズナーサリースクール多摩川

キヤノン(株)では、社員が安心して子どもを育てることができるよう、満3歳までの子どもをもつ社員を対象とした「育児休業制度」をはじめ、法定を上回るさまざまな制度を整備しています。また、社員からの問い合わせに対応するため、各事業所に相談窓口を設けています。
このほか地域社会における仕事と育児の両立に貢献するため、下丸子本社に隣接する所有施設内に、地域開放型の東京都認証保育所「ポピンズナーサリースクール多摩川」を開設し、約40人の子どもたちを受け入れています。

キヤノン(株)の育児・介護関連制度の変遷

1998年
  • 「育児短時間制度※1」を導入
2005年
  • 「育児休業者支援プログラム※2」を導入
2007年
  • 母性保護のための「マタニティー休業制度」や、「不妊治療費補助制度」「不妊治療休暇制度」などの出生支援策を導入
2010年
  • 「育児短時間制度」を改定し、勤務時間の単位を1時間から30分に
  • 「介護休暇」を新設
2014年
  • 事由を限定(傷病、育児、介護など)して30分単位で休暇を取得できる「時間単位休暇制度」を導入

育児・介護関連制度利用者数の推移(人)

  2011 2012 2013 2014 2015
育児休業取得者 126
(17)
154
(15)
153
(14)
168
(22)
184
(30)
育児短時間勤務者 144
(3)
147
(3)
169
(9)
144
(7)
142
(10)
マタニティー休業取得者 24 25 19 27 34
マタニティー短時間勤務者 1 2 4 6 7
介護休業取得者 14 7 12 13 9
介護短時間勤務者 2 4 5 6 6
出生支援制度申請件数(件) 225 261 263 222 260

育児・介護休業取得者の復職者数・復職率の推移

  2011 2012 2013 2014 2015
育児休業取得者の
復職者数
復職者数(人) 143
(17)
136
(15)
134
(9)
132
(22)
169
(30)
復職率(%) 100 100 96.3 100 100
介護休業取得者の
復職者数
復職者数(人) 15 6 8 13 9
復職率(%) 100 100 100 100 100

ボランティア活動休職制度の採用

キヤノン(株)では、社会や従業員のボランティア活動への関心の高まりを踏まえ、「ボランティア活動休職制度」を設けています。
この制度は、会社の認定を受けてボランティア活動に従事する場合、1年(青年海外協力隊の場合は2年4カ月)を上限にボランティア休職を取得できるものです。1994年の制度設立以来、2015年末までに、のべ10人が利用しています。

労使関係

キヤノンの国内グループ会社は、話し合いで解決を導く「事前協議の精神」を基礎として、賃金、労働時間、安全衛生、福利厚生などに関する諸施策を実行する際は、労働組合と真摯かつ十分な議論を尽くすよう努めています。
キヤノン(株)は、キヤノンマーケティングジャパン、福島キヤノン、上野キヤノンマテリアルとともに構成される「キヤノン労働組合」との間で、毎月「中央労使協議会」を開催し、さまざまなテーマについて意見や情報を交換しています。2015年も会社近況報告や労組近況報告を議題として実施しました。また、賃金、労働時間、安全衛生、福利厚生などに関する各種委員会も設けており、労使協議のもとで制度の新設や施策の運営に取り組んでいます。2015年末時点で、キヤノン労働組合の組合員数は2万7,662人、キヤノン(株)の労働組合員比率は81%となっています。
また、国内グループ会社の労使協議会として「キヤノングループ労使協議会」を開いています。これは、キヤノングループ19社の会社幹部とキヤノン労働組合をはじめとするキヤノングループの16の単位組合が出席するもので、2015年は、グループ全体を通した労使双方の近況について報告しました。2015年末時点で、同協議会に加盟する労組の組合員数は約5万2,400人です。
海外グループ会社においては、各国の労働法制に従い、十分な労使協議による適切な労使関係を継続しています。キヤノンは、今後も会社の永続的な発展に向けて、労働組合との相互理解、相互信頼のもとで変革に取り組んでいきます。

業務変更を実施する際の最低通知期間

キヤノン(株)では、人事異動などに際して従業員の生活にマイナスの影響を及ぼすことがないよう、労使協定において最低通知期間を定めています。
出向については発令日の2週間前、そのほかの異動については発令日の1週間前までに、対象者に対し内示を行っています。また、転居をともなう異動対象者に対しては、発令日を基準として4週間前までに、異動のための確認を行っています。
なお、国内外のグループ会社においても、各国・地域の法令に従って最低通知期間を定めています。

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