技術ルーム

 フォーカス合わせの機構にはいろいろなタイプがありますが、全体繰出(光学系全体を移動)や、前玉フォーカス(前群だけを移動)の場合、駆動機構への負担が大きくなり、AF(オートフォーカス)の高速化が難しくなります。また前玉系が大きくなるため、光学系のコンパクト化にも限界があります。そこで移動するフォーカスレンズ群の重量軽減を主な目的として開発されたのが、インナー/リアフォーカス方式です。これは前群以外の光学系をフォーカス群とする方式で、キヤノンではいち早く1975年より超望遠レンズを中心に採用してきました。またEFレンズでは望遠レンズだけでなくズームレンズや広角レンズなどにもインナー/リアフォーカス方式を採用しています。なおキヤノンでは、絞りより前でフォーカシングを行うものをインナーフォーカス、絞りより後でフォーカシングを行うものをリアフォーカスと呼んでいます。 インナー/リアフォーカス方式では、AFの高速化や光学系のコンパクト化の他に、
(1)フォーカシング時にレンズ長が不変のため、ホールディング性が良好、
(2)全体繰出・前玉フォーカス方式に比べ、最短撮影距離の短縮化が可能、
(3)前枠が非回転のため、偏光フィルター等の操作性に優れる等のメリットがあります。