凸レンズにしても凹レンズにしてもレンズの表面は一定の曲率をもち、いわば大きな球面の一部で作られています。 この球面レンズにおいては、厳密には平行光線を完全な形で一点に収束することが出来ません。 光学理論上の宿命なのです。このため球面レンズのみで構成された交換レンズでは、
(1)大口径レンズの高性能化
(2)広角レンズでの像の歪みの補正(歪曲収差補正)
(3)ズームレンズのコンパクト化、などで限界があります。
そこでキヤノンでは、この問題を解決すべく非球面レンズの技術を開発しました。 つまり、レンズ面を一定の曲率ではなく、周辺と中心の光束が一点に収束するような曲面としたのです。 そして1971年には、一眼レフ用交換レンズとして世界で初めて非球面レンズを採用したFD55mm F1.2 ALが発売されました。 現在キヤノンでは、
(1)研削加工により生成した研削非球面レンズ
(2)ガラスモールド非球面レンズ
(3)高精度成形によるプラスチックモールド非球面レンズ
(4)球面レンズの表面に紫外線硬化樹脂皮膜を形成するレプリカ非球面レンズの4種類の非球面レンズを目的に応じて使い分けています。 この中でも特にLレンズでは性能向上のため、大口径の研削非球面レンズを使用しています。