キヤノンデジタルカメラ初の大画面3.0型液晶モニターを搭載した
IXY DIGITAL 80
今月の技術レポートは、2006年4月に発売した、スリムなボディに600万画素CCDと高解像3倍ズームレンズ(35mmフィルム換算焦点距離35-105mm)、3.0型液晶モニターを搭載したIXY DIGITAL 80(写真1)の概要と特徴に関する情報をお届けします。

写真1 IXY DIGITAL 80
写真1 IXY DIGITAL 80
開発のねらい
2000年5月発売の「IXY DIGITAL」(写真2-a)からスタートしたIXY DIGITALシリーズは、個性的なデザインと4色のカラーバリエーションをもつ「IXY DIGITAL L」(写真2-b)や、カーバチャーデザインを採用した「IXY DIGITAL 600」(写真2-c)、そして、無線通信を可能にした「IXY DIGITAL WIRELESS」に至るまで、6年間で20機種(表1)を発売してきました。
06'年4月に発売したIXY DIGITAL 80は、IXY DIGITALシリーズ初の3.0型、超大型液晶モニターを搭載した新製品で、開発のねらいは次のとおりです。
''Slim & Fine View''をテーマとしたスタイリッシュかつ高画質・高機能なデジタルカメラの実現
写真2-a IXY DIGITAL 写真2-b IXY DIGITAL L
写真2-a IXY DIGITAL 写真2-b IXY DIGITAL L
写真2-c IXY DIGITAL 600
写真2-c IXY DIGITAL 600

表1


特徴1 シャープ&スリムデザイン
●デザインコンセプト
日本の伝統美のひとつである「刀」からインスピレーションを受け、デザインのコンセプトを作り上げています。金属の塊から角を大胆に削ぎ落とした印象のカット面が、カメラ全体を薄く、シャープに仕上げています(写真3)。
表面処理では、前面は刀の素材でもある「玉鋼」をイメージし、レンズまわりはキヤノンの独自性を生かした「巴」処理としています。
また、背面は「漆」をイメージした艶と、深みのある黒を採用しています(写真4)。
写真3 刀をモチーフとしたデザイン 写真4 背面
写真3 刀をモチーフとしたデザイン 写真4 背面

●コンパクト設計
構成部品やユニットの小型化・薄型化、SiP(System in Package)を採用した超高密度実装など、キヤノンの小型化技術を結集することで、厚さ約20mmを実現しています。


特徴2 高画質
●カメラ部有効約600万画素CCD
カメラ部有効約600万画素CCDカメラ部有効約600万画素CCDを搭載しています。原色フィルターの採用とあわせて、最大2816×2112画素の高画質描写が可能です。

●35-105mm (35mmフィルム換算)3倍ズームレンズ
600万画素のCCDに対応した、35-105mm (35mmフィルム換算)、F2.8-F4.9の3倍ズームレンズを搭載しています。UAレンズ(超高屈折率ガラスモールド非球面レンズ)を2枚使用することにより、極めてコンパクトな光学全長を実現しています。
なお、マクロモードでは、ワイド端で被写体に3cmまで近づいて撮影することができ、このときの撮影範囲は37×27mmです。


特徴3 高機能
●ISO800/高感度オートの搭載
手ブレや被写体ブレを防ぐためには、できるかぎり速いシャッタースピードで撮影することが望ましく、このためには、感度を高く設定する必要があります。しかし、一般に感度を高くするとノイズも増加し、画質劣化の要因となります。
IXY DIGITAL 80は、高感度ISO800を搭載しているにもかかわらず、DIGIC IIによる低ノイズ信号処理や、キヤノン独自の画像処理により、ノイズの目立たない画質を実現しています。
また、新たに「高感度オート」も搭載しています。撮影する場所の明るさに応じて、最高ISO800まで自動的に増感されるため、手ブレや被写体ブレを低減させることができます。

●多彩な撮影モード
さまざまなシーンで、つねに最適な撮影ができるように、撮影パラメーターを各シーンに最適化した多くの撮影モード(表2)を用意しています。

表2 多彩な撮影モード

●発展したマイカラーの搭載
05'年の4月に発売したIXY DIGITAL 600やIXY DIGITAL 55に初めて搭載した「マイカラー」が、従来からの「色効果」と統合し、新しい「マイカラー」として生まれ変わりました。
操作上も、FUNC.ボタンから選択できるようになり、撮影モードと組み合わせて使用することができるようになりました(図1)。また、ワンポイントカラーとスイッチカラーは、マイカラーから切り離し、撮影モードのひとつとして独立させています(図2)。
新たなマイカラーで設定できるモードは表3のとおりです。
図1 新マイカラー 図2 ワンポイントカラー
図1 新マイカラー 図2 ワンポイントカラー

表3 マイカラー

●レタッチマイカラーの搭載
再生時にもマイカラー機能が使えるように、レタッチマイカラーを搭載しています。これにより、撮影後も特別なアプリケーションを必要とせずに撮影画像のレタッチが可能になっています。

●フォーカスチェッカー
レックレビュー時には、ピントの確認ができるように、撮影された画像とピントが合っている部分の画像を同時に表示させることができます(図3)。また、表示部分は任意に移動できるため、画面全体にわたってピントを確認することもできます。
図3 レックレビュー時フォーカス位置表示機能
図3 レックレビュー時フォーカス位置表示機能
●デジタルマクロ

●記録画素数ワイド

●スムーズ連写

●ジャンプ機能

●グリッドライン表示

●物理フォーマット

●9点AiAFと1点AFの選択可能

●3種類の測光モード

●時間や撮影枚数が設定可能なカスタムセルフタイマー

●撮影画像のヒストグラム表示

●9画像のインデックス再生

●ホールドが可能なレックレビュー

●最長60秒の音声メモ記録


特徴4 快適操作
●大型3.0型液晶モニター
液晶モニターには、キヤノンデジタルカメラ初となる超大型の3.0型(視野率100%)を採用しています。
3.0型はIXY DIGITAL 800 ISで採用した2.5型と比較して面積比で約1.4倍(図4)となり、撮影時のフレーミングが快適に行えるほか、インデックス再生画面でもひとつひとつの画像がより大きくなり、検索性が大幅に向上しています。
また、屋外など明るい場所では、液晶モニターの輝度を上げて画像を見やすくするLCDブースター機能や、夜間など被写体が暗い場合でも、液晶モニター上に被写体を明るく表示するナイトビュー機能も搭載しています。
なお、小型ボディを維持するために、光学ファインダーは搭載していません。
図4 大型3.0型液晶モニター
図4 大型3.0型液晶モニター

●タッチホイールの採用
3.0型液晶モニターの大型画面を生かすために、タッチホイール(写真5)を採用しています。
撮影時や再生時にタッチホイールに指を置くと、液晶モニター上にタッチホイールアイコンが表示されます(図5)。このアイコンを見ながら、タッチホイールの上下左右に割り当てられた機能を選択し、ホイールを押し込めば操作が完了します。このため、液晶モニターから視線をはずす必要がなく、素早い操作が可能となります。
図5 タッチホイールアイコン 写真5 タッチホイール
図5 タッチホイールアイコン 写真5 タッチホイール

また、暗い場所ではタッチホイール上のアイコンが見にくく、操作が困難な場合もありますが、このような場合でも液晶モニター上で確認できるため、操作性が大幅に向上しています。
なお、再生時は、タッチホイールの表面を指でなぞると、サムネイル画面が操作音とともに次々と入れ替わり、画像送り・選択を素早く行うことができます。設定メニュー時は、世界時計の地域選択が行えます。

●印刷メニュー
印刷に関係する機能を集めた「印刷メニュー」を新設しています。

●USB 2.0 Hi-Speed対応

●拡大画像送り

●時計モード

●節電機能(オートパワーオフ・ディスプレイオフ)

●消音モード


特徴5 充実したプリント機能・デジタルコミュニケーション
●ムービープリント(1コマ)
IXY DIGITALシリーズのムービープリントは、今まで「連続コマ」のみの対応でしたが、IXY DIGITAL 80では、「1コマ」にも対応しています。

●PictBridge対応

●イージーダイレクトボタン搭載

●L判プリントモード

●IDフォトプリント

●Exif2.2対応

●ホームページ「CANON iMAGE GATEWAY」の利用が可能


特徴6 アクセサリー
●40mの防水性能を持つウォータープルーフケース
本格的なダイビングにも対応できるウォータープルーフケースWP-DC4(写真6)を、オプションとして設定しています。
写真6 ウォータープルーフケースWP-DC4
写真6 ウォータープルーフケースWP-DC4

●小型・大容量バッテリーパックNB-4L

●超高速・大容量SDメモリーカード

●ハイパワーフラッシュHF-DC1


以上、今月は、IXY DIGITAL 80をご紹介しました。表4に主要仕様一覧を示します。
本体には写真7に示したようなキットが付属しています。希望小売価格はオープン価格となっています。
写真7 本体キット
写真7 本体キット

なお、IXY DIGITAL 80は、伝統美を生かしたデザインや、タッチホイール、フォーカスチェッカーといった使いやすい機能が認められ、先ごろTIPAの「ベスト超小型デジタルカメラ(Best Ultra Compact Digital Camera)」を受賞しました(図6)。
図6 TIPAのベスト超小型デジタルカメラ受賞ロゴ
図6 TIPAのベスト超小型デジタルカメラ受賞ロゴ

''フォトイメージング産業のオスカー賞''といわれるこの賞は、欧州12か国の主要カメラ・ビデオ専門誌31誌の編集者からなる団体「Technical Image Press Association」が、年に1度、投票により決定する権威ある賞で、過去1年間に欧州各国で発売された各製品群のなかから、部門別にその年を代表する製品に贈られるものです。