キヤノンカメラ史
1955-1969 短編物語
開発の多角化の時代

レンジファインダーカメラから一眼レフカメラへ

1956年(昭和31年)8月発売の「VT型」から始まるVシリーズ、1959年(昭和34年)の「P型<ポピュレール>」を経て、「カンノン」から始まった35mmレンジファインダーカメラは1965年(昭和40年)4月発売の「7S型」(7シリーズ)をもって終焉を迎える。次代を受け継いだのは、35mm一眼レフカメラであった。
初の一眼レフカメラは、1959年(昭和34年)5月に発売した「キヤノンフレックス」。その後、一眼レフカメラの進歩とともに、レンズもRレンズシリーズから、完全自動絞り機構を備えたFLレンズシリーズに進化する。そして、FLレンズとともに1964年(昭和39年)4月に登場した「FX」はCDS式の外光式露出計を備え、後継の「PELLIX」や「FTQL」によって、TTL(Through The Lens)測光方式の時代が到来した。

キヤノネット登場

35mmレンズシャッターカメラの大ヒット機「キヤノネット」が登場したのは、1961年(昭和36年)1月。あまりの安さに業界の反発を受けた「キヤノネット」は、事実その売れ行きも驚異的で、『週間文春』1961年2月6日号には、『くたばれ! キヤノネット』のタイトルで記事が組まれるほどの反響だった。

8mmシネカメラへの進出

キヤノン初の8mmシネカメラ「シネ8T」は、1956年(昭和31年)11月に登場した。それとともに、ズームレンズの開発もはじまり、1964年(昭和39年)6月、「シネズーム512」を発売。「F1.2」という明るいズームレンズを搭載し、スプリングドライブ方式を採用するなど、作品づくりを楽しむユーザーに支持され、名機の名をほしいままにした。

キヤノン株式会社の誕生

1960年代を迎え、キヤノンはカメラ以外にも電卓、複写機なども手がけており、キヤノンとしてはカメラ専業というイメージを一新する時期が来ていた。そして、キヤノンカメラ株式会社は総合的な映像情報処理機器メーカーをめざし、1969年(昭和44年)3月1日、キヤノン株式会社へ社名を変更する。