Top Page

カメラデザインの現場から : IXY 600F

世界最薄へのデザインアプローチ。

「薄さは、数値だけではない」
光学8倍ズームレンズ搭載機として世界最薄を実現した「IXY 600F」のプロダクトデザインを担当したデザイナー西村賢一は、そう言います。
コンパクトカメラにとって薄型化は最も重要なポイントのひとつです。多くの設計者やプロダクトデザイナーが「0.1ミリでも薄く」を前提に新型機の開発を進める中、結果的にクラス世界最薄のボディを生み出しながらも「数値だけではない」と語るのです。
IXY 600Fにおいて、デザイナーが求めた「薄さ」とは何か。コンパクトカメラの新しい扉を拓いた、独特のデザインアプローチに目を向けてみましょう。

※奥行き22.1mm。広角28mm光学8倍ズームレンズを搭載したコンパクトデジタルカメラにおいて。2011年8月12日当時、当社調べ。

数値以上に薄さの実感を求めて。

IXY 600Fのデザインアプローチでは、物理的な「薄さ」を追求するのと同時に、「心地よい薄さ」を実感できるデザインを求めました。そこには、手にした時の感触もデザインの重要な要素であるという強い意識があったのです。
そのためにデザインの基本としたのが「カーバチャーデザイン」です。IXY 600Fでは、見ただけで気づく部分だけでなく、一見すると直線に見えるようなラインも含めて、ボディデザインを構成するラインのほとんどが、実は緩やかにラウンドしているのです。
数値上の薄さを追い求めるだけなら、場合によっては直線にした方が有利にもなります。しかし、「薄い」という実感を生み出すのは、実際に手にした時の感触です。ボディ全面に高度で複雑な曲面を用いながらも、シンプルにまとめることでユーザーの手にシックリと馴染み、それによって見た目以上の薄さを実感できるのです。
そしてそれは同時に、薄さを求めながらもボディデザインにある種の余裕を生むこととなり、結果的にただ平板なだけの造形では得られない立体的な質感を生むことにもなったのです。

アイデアスケッチ

Designer Profile

総合デザインセンター 西村 賢一 Kenichi Nishimura

秋葉原で生活しています。日々「脱力」を心がけています。
IXY 600Fは「普通なんだけどどこか変」なカメラです。
そんな楽しい人に使って欲しいです。

総合デザインセンター 伊藤 英記 Hideki Ito

IXY600Fのユニセックス的な表現を青のペンだけで描いてみました。
このスケッチのアイデアをベースに、西村氏の作りこみとセンスでシンプルながらも豊かな
表情がある製品になったと思います。とてもバランスの良い製品なのでおススメですよ。